【マーケター必見】Googleの新発表4選、進化が止まらないAI機能:Social Media Today
GoogleのAI機能が進化を止めない。今回の記事では、デジタルマーケティング関係者に特に関係の深い内容を中心に、主なアップデートを紹介する。
Googleは、年次開発者会議「Google I/O 2025」において、AIツールの新機能、広告の更新、ショッピング機能の向上、検索機能の進化など、多岐にわたる新発表を行った。
本記事では、デジタルマーケティング関係者に特に関係の深い内容を中心に、主なアップデートを紹介する。
マーケターが押さえるべき、Googleの新しいAI機能4選
(1)ショッピングにおけるAI活用の強化
特に注目すべき発表の一つが、Google ショッピングにおけるAI要素の強化である。Googleは「AIモード」において、ユーザーがより簡単に商品を絞り込めるよう支援する新しいショッピング体験を近日中に開始する予定である。
例えば、ユーザーがAIモードに「かわいい旅行用バッグを探している」と入力すると、AIは視覚的なインスピレーションを求めていると理解し、好みに合わせた画像や商品リストをパネル表示で提示する。この際、ユーザーが「5月にオレゴン州ポートランドへ旅行するのに適したバッグに絞りたい」といった具体的な条件を追加すると、AIは同時に複数の検索を実行し、雨天や長距離移動に適したバッグの条件を抽出し、防水性やポケットの使いやすさなどに基づいた選択肢を提示する。
この機能により、よりニーズに合致したカスタマイズされた商品が見つけやすくなるとともに、ブランド側は検索最適化のため、商品情報をより詳細かつ適切に記載することが求められる。
この高度な発見体験は、数カ月以内に米国のAIモード利用者向けに提供開始される予定である。
提供:Social Media Today「Google Outlines AI Advances at I/O Event, Including Shopping and Search Updates」
Googleは、ユーザーが望む商品を最適な価格で購入できるよう支援する新機能も追加している。これは、価格が下がったタイミングで自動的に商品を購入してくれる「エージェンティック・チェックアウト」オプションである。
この機能では、ユーザーが希望価格、色、サイズなどを指定し、価格が下落した際に通知を受け、必要であればその場で自動購入が可能になる。
提供:Social Media Today「Google Outlines AI Advances at I/O Event, Including Shopping and Search Updates」バーチャル試着機能の進化
さらに、AIを活用した高度なバーチャル試着機能を追加した。写真をもとに、別の衣服を着用した場合の見た目をシミュレーションできるようになる。
この試着機能は、人体構造や素材のしわ、伸び、ドレープ感など衣服の細かな特徴を理解する新しいファッション向け画像生成モデルを用いている。こうしたディテールは、ユーザーの写真においても保持され、より現実に近い試着体験が可能となる。
この「バーチャル試着」機能は、米国において5日20日よりSearch Labs(Googleの試験機能公開プラットフォーム)で提供開始されている。
提供:Social Media Today「Google Outlines AI Advances at I/O Event, Including Shopping and Search Updates」
(2)Google Meetにおける音声翻訳と新ビデオ体験「Google Beam」
Googleは、ビデオ会議サービス「Google Meet」においても、リアルタイムに話し言葉を翻訳し、話者の声やトーンを再現する新技術を導入した。
さらに、同社は「Google Beam」という新たなAI駆動型ビデオコミュニケーションプラットフォームを発表。これは6台のカメラで被写体を撮影し、AIがそれらを統合して3D空間上に再構成し、「ライトフィールドディスプレイ」で表示する。頭の動きをミリ単位でトラッキングし、毎秒60フレームで再現することにより、リアルかつ没入感の高い会話体験を実現する。
このBeamデバイスは、HPとの共同開発によって、年内に先行ユーザー向けに出荷が開始される予定である。
(3)検索機能の進化:「プロジェクト・マリナー」と「AIモード」
検索分野では、Googleは「プロジェクト・マリナー」(Project Mariner)の一環として、チャットボット「Gemini」(ジェミニ)にWeb検索機能を統合。AIによるより高度なタスク処理が可能になる。
また、Google検索に「AIモード」が正式に導入され、より長く複雑な質問にも対応できるようになる。この機能では、AI生成による要約結果が提示され、より深い洞察が得られるようになる。
さらに「ディープサーチ」(Deep Search)という新機能も追加され、数百件に及ぶ検索を実行し、異なる情報を統合しながら、出典付きの専門的なレポートを数分で生成できる。
加えて、「マルチモーダル検索」機能も導入され、カメラを使ってリアルタイムに視覚情報と会話する検索体験が可能となる。
(4)ファイル連携、画像・映像生成、AIアバターとAR眼鏡
Googleは今後、アップロードされたファイルやGoogle Drive、Gmail上のデータをもとに、カスタムレポートやインフォグラフィックを生成できるAIモデルも導入する予定である。
画像生成モデル「Imagen 4」や、動画生成ツール「Veo 3」も進化し、より高精度なビジュアル出力が可能となる。
また、Googleは「Flow」(フロー)という新ツールも発表しており、AI生成された映像を組み合わせて短編映画を制作できるようになる。
将来的には、AIアバター機能によって、バーチャルなプレゼンターによるライブ配信やショッピングストリームの実現も見込まれている。
さらに、ファッションブランド「Gentle Monster」やメガネブランド「Warby Parker」と提携し、AR(拡張現実)対応のスマートグラスの開発も進めている。
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