社員がどんどん「燃え尽き症候群」に……人事はどうすべき?
求人情報および企業レビューサイトの米Glassdoor(グラスドア)は、2025年第1四半期時点で「燃え尽き症候群」という単語の出現数が、前年同期比で32%増加したと発表した。この数値はコロナ禍以前の2019年第4四半期と比較して50ポイントも高く、2016年にデータ収集を開始して以来、過去最高となった。
求人情報および企業レビューサイトの米Glassdoor(グラスドア)は、2025年第1四半期時点で「燃え尽き症候群」という単語の出現数が、前年同期比で32%増加したと発表した。この数値はコロナ禍以前の2019年第4四半期と比較して50ポイントも高く、2016年にデータ収集を開始して以来、過去最高となった。
データで分かる、じわじわ広まる「燃え尽き症候群」の脅威
従業員の士気低下は、今回のデータ分析を通して繰り返し浮かび上がった。「燃え尽き症候群」と記載されたGlassdoorレビューでは、投稿者が自身の雇用主に付けた平均評価は5点満点中2.68点。一方、「燃え尽き症候群」に言及していないレビューでは平均評価は3.61点となっており、実に26ポイントも差があった。
この傾向は他の評価指標にも及んでおり、「燃え尽き症候群」が言及されたレビューでは、以下の項目において評価が大幅に下がっていた。
(1)キャリアの機会:−21ポイント
(2)ダイバーシティー&インクルージョン(多様性と包摂性):−17ポイント
(3)ワークライフバランス:−34ポイント
(4)報酬と福利厚生:−15ポイント
Glassdoorの主任エコノミストであるダニエル・ザオ氏は、自身の投稿でこの問題を「スローバーン=じわじわと進行する問題」と表現。「燃え尽き症候群は、従業員の他の職場体験全体を汚染する可能性がある。従来は職場に満足していた社員すら、徐々に冷めた目で職場を見るようになることもある」と指摘している。
「企業が予算や人員の削減を進める中で、社員もマネジャーも“より少ないリソースでより多くの成果”を求められている。それは、終わりの見えない負荷の蓄積となり、燃え尽き症候群の温床になる」と、ザオ氏は述べている。
Glassdoorの調査によれば、バーンアウトの発生率は転職活動の活発化と直接的に相関している。では、人事部門は何ができるのか? 答えの1つは、「職場文化の変革」だ。
「燃え尽き症候群」が記載されたレビューの多くには、「高圧的な職場」「自己責任の文化」「土壇場での変更」や「勤務時間外の業務」といった環境的要素の言及が見られる。また、「認識されていない」「評価されていない」「疲弊している」といった語句も増えており、従業員が「過小評価されている」と感じていることが明らかになっている。
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