丸亀製麺とはなまるうどん、どこで差が付いたのか 振り向けば「資さん」も……三つ巴の乱戦に?(1/3 ページ)
うどん業界の2トップといえば、丸亀製麵とはなまるうどんだが、近年は彗星のごとく資さんうどんも現れた。はなまるうどんの2位の座も怪しいかもしれない。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
少し前にすかいらーく傘下に入った「資さんうどん」が話題となったが、現時点でうどんチェーンの2トップは「丸亀製麺」と「はなまるうどん」だ。両者とも2000年に創業し、それまで一般的でなかった「ファストフード形式のうどんチェーン」として勢力を伸ばした。しかしその後は徐々に差が開き、丸亀製麺が著しく拡大していった。現時点で丸亀は国内863店舗(4月時点)、はなまるは418店舗(2024年2月期)と差は歴然だ。
とはいえ、両者は味やメニューに大きな違いがあるわけではない。一般的に味の評価は飲食店の雰囲気などに左右されがちといえる。筆者の所感では、本場に近いのは実ははなまるの方ではないかと考えている。今回は“本場らしくない”丸亀製麺の方がなぜ勝者となったのか。商品以外の側面からその要因を探っていく。
「本場」に近いのははなまるうどんだが……
丸亀製麺のメニュー構成はうどんにトッピングの天ぷら、ご飯ものなどが中心だ。はなまるうどんも構成は同じである。うどんメニューを比較すると両者とも「かけ」や「ぶっかけ」「ざる」などがある。セルフ式で商品によって冷温選べる点も共通している。「かけうどん」で比較すると、並(中)サイズの価格は丸亀が420円、はなまるが520円と後者が高めだが、サイズははなまるの方が大きめである。
トッピングはいずれも天ぷらがメインだが、はなまるにはコロッケや唐揚げなどがある。ご飯ものは丸亀がおむすびだけだが、はなまるではミニ豚丼や牛丼などを提供している。細かく見ればこのような違いはあるが、全体的な構成は同じであり、一般的に優劣はつけられそうにない。
うどんの味に関しては、たびたび論争が起こる。讃岐うどんの麺はコシが強く、だしにはイリコ(煮干し)を使うのが特徴だ。コアな讃岐うどんファンの間では、丸亀製麺の方がコシが弱く、イリコも使われていないという意見が聞かれる。とはいえ、店舗数では丸亀が勝者になったのであり、明らかに讃岐うどんの再現度が要因ではないといえる。
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