東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、「2025年『早期・希望退職』『役職定年』に関するアンケート調査」の結果を発表した。「早期退職・希望退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。
企業規模別にみると、大企業は96.9%だったのに対し、中小企業では98.7%と高かった。
東京商工リサーチは「人手不足が深刻化するなか、上場企業の早期・希望退職募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ」とコメントした。
大手企業を中心に早期・希望退職の募集が活発で、45歳以上の就職氷河期・バブル入社にあたる人を対象とするケースが目立っている。正社員のうち、45歳以上は全正社員の何%を占めるかを聞くと、半数以上と回答した企業が64.2%にのぼった。大企業は57.0%、中小企業は64.6%で、中小企業が大企業を7.6ポイント上回った。
「新卒を含む定期、通年採用などに積極的な大手企業は、円滑な業務遂行のためにも若い社員が入社している。一方、中小企業は景気動向にも左右され、「人件費の抑制と採用」という両立の難しさから若い社員の採用が厳しくなっている。また、人手不足で採用自体が厳しくなっていることも影響しているとみられる」(東京商工リサーチ)
一定の年齢に達した正社員が役職から外れる「役職定年」制度については、「導入する予定はない」が64.7%で多数派だった。「導入している」と「導入し、直近3年以内に内容を見直した」が合わせて21.8%、「導入を検討している」が10.6%、「導入していたが廃止」が2.6%で続いた。
導入している大企業は41.0%だったが、中小企業は17.8%と2倍以上の差があった。
インターネットによる調査で、対象は6483社。調査期間は6月2〜9日。
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