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酷評の不人気万博が一転 「#大阪万博」が6倍に増えた理由(4/4 ページ)
前売り不調、ネガティブ情報の拡散――。一時は期待薄とされた大阪・関西万博だが、SNSを通じて評価が一変。現地の“生の声”が人々の来場意欲を高めている。
否定的な情報も瞬時に拡散
ただ開幕前と同様にSNSでは否定的な情報も瞬時に拡散する。5月ごろに大量発生したユスリカの問題は、X(旧ツイッター)などでショッキングな映像が広がり、人々の強い懸念を招いた。
事実と異なる情報の拡散も危惧される。静けさの森などで発生したレジオネラ属菌の問題を巡っては、SNSで「子供たちに肺炎の症状が出て学級閉鎖が相次いでいる」との情報が広まった。調査機関は「そのような事実は確認できない」と指摘しており、偽情報だった可能性が大きい。
巨大イベントの万博はSNSによる情報発信の格好の舞台となった。残り3カ月の成否のカギもSNSが握っている。
提言 国際イベントにふさわしい情報発信を
SNSでは、万博を運営する日本国際博覧会協会の公式インスタグラムのフォロワー数も伸びており、アジア太平洋研究所によると、昨年11月末時点の約4万9千から今年6月末には30万を超えた。イベントの動画やスケジュールなどをコンパクトに発信できており、一定の評価を得ている。
一方で協会のホームページは情報が膨大過ぎてわかりにくいと不評だ。対日ビジネス拡大を視野に万博訪問を希望する海外企業の関係者から「何を見ていいのかさっぱりわからない」と苦言を呈されたこともある。英語での発信も限定的だ。
手軽なSNSは観光客を主眼に置くならば有効だが、万博は国際的な交流やビジネス推進の舞台でもある。日本の“内輪”イベントで終わらないためにも、協会は多面的な情報発信を心がける必要がある。
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