テレワークは定着せず、生成AIは広がる 数字が示す働き方のいま(1/3 ページ)
コロナ禍が落ち着きを見せ、「5類感染症」になり、丸2年が経過しましたが、働き方に変化は生まれているのでしょうか。
ここ数年の働き方に関しての大きなテーマは、テレワークとAI活用でしょう。「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報):大久保敏弘・NIRA 総合研究開発機構(2025)」では、このテーマについて調査結果が公表されています。この調査結果をもとに、2024年12月現在でのテレワークの実態、生成AIの使用実態について紹介します。
テレワークでも生産性が維持できると思うのは16%
調査結果によれば、2023年3月の時点で、全国のテレワーク利用率が13%に対して2024年12月のテレワーク利用率も13%、東京圏のテレワーク利用率は2023年3月が23%に対して2024年12月のテレワーク利用率は21%と、東京圏が多少下がったといえ大きな変化はなく、「5類感染症」以降になっても、少しずつオフィス回帰という現象のようです。2021年前半のコロナ禍のピーク時においても、全国のテレワーク利用率は17%ですから、もともと、それほどテレワークは日本に根付かなかったというのが実態だったのかもしれません。
面白いのは、「テレワークの利用によって仕事の効率性を維持できる」の質問に対して「あてはまる、ややあてはまる」と答えた人は、2021年9月の15%から2024年12月は16%、「ややあてはまらない、あてはまらない」と答えた人は、2021年9月の47%から2024年12月は45%と大きな変化はなく、相変わらず、テレワークでは効率は維持できないと考える人が半数近くいるようです。(確かに、この16%という数値は、現在のテレワーク利用率と近い数字になっています)
さらに、「自然災害時には、勤め先からテレワークの利用が推奨されている」の質問に対しては、「あてはまる、ややあてはまる」と答えた人は、2021年9月の15%から2024年12月は17%、「ややあてはまらない、あてはまらない」と答えた人は、2021年9月の48%から2024年12月は50%と、自然災害が起きているにもかかわらず、企業側はテレワークを推奨しないという実態が見えてきます。
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