DeNA、「AI活用スキルを評価」する新指標 個人・組織の活用レベルを5段階で把握
ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)は8月6日、全社のAI活用スキルを評価するための新指標「DeNA AI Readiness Score」を同月末から導入すると発表した。導入後は、従業員や組織のAI活用状況を定量的に把握する仕組みを構築する。
ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)は8月6日、全社のAI活用スキルを評価するための新指標「DeNA AI Readiness Score」(以下、DARS)を同月末から導入すると発表した。同社はAIネイティブな企業を目指しており、そのためには従業員や組織がAIを日常的に活用することが不可欠だ。しかし現状では、個々のAI活用状況やスキルレベルが把握しづらいという課題があった。
そこで同社は、従業員や組織のAI活用レベルを客観的に評価・可視化する指標としてDARSを導入。従業員や組織のAI活用状況を定量的に把握する仕組みを構築する。
DARSの仕組みは?
DARSは従業員個人のAI活用レベルを測る「個人レベル」と、部署・チーム単位のAI活用レベルを測る「組織レベル」の2つの側面で構成。半期の評価サイクルごとに可視化していく。DARSの指標は個人の人事評価には直結せず、個人に期待される役割や成果を明確に示すグレード(等級)における推奨要素とし、半期ごとに目標設定を実施する。
個人レベルでは従業員を開発者(開発を主業務とするエンジニア)と非開発者(ビジネス/クリエイティブ職/マネジャーなど)に分類し、AI活用の習熟度に応じてレベル1から5までの段階を設定。レベル1は「基礎的な知識や利用習慣がある」状態を、最上位のレベル5は「AIを軸とした全体設計やビジネス変革ができる」状態を指す。
組織レベルでは、組織のAI活用フェーズに応じて、レベル1から5までの段階を設定。レベル1は「組織の中でAIを試し始めている段階」を、最上位のレベル5は「AIだからこそ可能な戦略が実行されている段階」を指す。
同社では現在、従業員や組織のAI活用の底上げとして、eラーニングや有志の勉強会を多数開催している。今後はそれらの情報を集約した、社内の学習ポータルを整備する予定だ。また、協業などやむを得ない事情がある一部の組織を除き、2025年度末までに全組織がDARSの組織レベル2「組織として対話型AIが日常的に使われ出している段階」に到達することを目指す。
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