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Pinterestは「AIショッピングアシスタント」に――売上17%増、Z世代が牽引Retail Dive

画像共有SNSのPinterest(ピンタレスト)が、AIを武器に成長を加速させている。2025年第2四半期(4〜6月)の決算発表で、ビル・レディ最高経営責任者(CEO)は「Pinterestは事実上AI対応のショッピングアシスタントになった」と述べた。

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 画像共有SNSのPinterest(ピンタレスト)が、AIを武器に成長を加速させている。2025年第2四半期(4〜6月)の決算発表で、ビル・レディ最高経営責任者(CEO)は「Pinterestは事実上AI対応のショッピングアシスタントになった」と述べた。


Pinterestは、AIを活用した体験のリーダーとしての地位を確立するために、ビジュアル検索と商品発見に注力している(ゲッティイメージズ)

AIの“カンブリア爆発期”のリーダー目指す

 レディ氏は決算説明会で「Pinterestは、いま起きている“カンブリア爆発の瞬間”において、AI体験のリーダーを目指し、ビジュアル検索と商品発見に注力している」と語った。

 同社は検索や関連サービスに独自の生成検索モデルを導入。ユーザーの過去の行動を学習し、関連性が高く新鮮なピン(投稿画像)の候補を生成する仕組みを整えた。これにより、検索の精度が高まり、2025年の年初来で検索完遂率は230ベーシスポイント改善した。

 「ユーザーにより深い関連性とパーソナライズを提供するための投資が、ビジネス全体にわたり累積的な成果を生み出している」とレディ氏は述べた。

「Pinterestは事実上AIショッピングアシスタント」

 レディ氏は「Pinterestは事実上、AI対応のショッピングアシスタントになっている。ユーザーがそう意識していなくても実態はそうだ」と説明する。

 Pinterestはビジュアル検索の最前線に立ち、ユーザーが自分の好みを発見し、探求し、最終的に買い物につなげる新しい方法を生み出してきた。AIを活用してコンテンツの関連性とパーソナライズを大幅に改善したことで、ユーザーが多様な商業的な購買行動を探求する“目的地”となった(レディ氏)

 Pinterestアプリは、ユーザーの嗜好(しこう)やスタイルに沿った提案を先回りして提示する。まるで人間のショッピングアシスタントのような役割を果たしている。AIエージェントが代理購入する段階には至っていないが、AIによる提案を受け入れるユーザーは増えている。

 「当社のプラットフォームを見れば分かるように、関連性の高い提案を行うことで、ユーザーは自ら労力をかけずに買い物のプロセスを大きく進められる」とレディ氏は語った。

小売大手も追随するAI活用

 AIショッピングアシスタントは業界全体の潮流でもある。米eBay(イーベイ)は2025年5月に、顧客の嗜好に応じて助言する会話型AIショッピングエージェントを開始。Amazonは同年4月、サードパーティサイトの商品をAmazonショッピングアプリ内で購入できる「Buy for Me」(バイ・フォー・ミー)を試験導入した。

 Pinterestの投資も成果を上げている。第2四半期の売上高は前年同期比17%増の9億9800万ドル(約1470億円)、月間アクティブユーザー数は11%増の5億7800万人に達した。

 「PinterestがAI分野の勝者であることは明白だ。私たちはかつてないほどユーザーに人気と価値を持ち、広告主にとっても高い成果をもたらしている」とレディ氏は語った。

Z世代が成長を牽引

 AI対応のビジュアル検索は特にZ世代(1990年代後半から2010年代前半生まれ)に響いている。同社によれば、月間アクティブユーザーの50%以上をこの世代が占める。とはいえ成長は若者層に限定されず、あらゆる世代・性別に広がっている。

 レディ氏は「ユーザーが探しているものを言葉で正確に説明できないときや、“見れば分かる”という状況において、Pinterestは新しいタイプの純粋なビジュアル検索体験を提供している」と述べた。

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