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生産台数に明暗 日産・ホンダとSUBARUで「差」が付いた根本原因(2/3 ページ)

日産やホンダの自動車販売台数が落ち込む中、気を吐いているのがSUBARUだ。コロナ前には及ばないものの、堅調に推移している。

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 SUBARU車の国内シェアはわずか2%で、コアなファンが乗っている印象が強い。

 2024年3月期に世界で販売した97.6万台のうち主力は3種類で、インプレッサが30.2万台、フォレスターが25.9万台、レガシィは25.3万台だ(インプレッサにXV、クロストレックを含む。レガシィにアウトバックを含む)。


SUBARUのインプレッサ(出所:同社公式Webサイト)

 SUBARU車の特徴は水平対向エンジンを採用している点だ。エンジンの重心が低くなる上、左右対称に配置したピストンが互いの振動を打ち消すため、振動が少なく、走行安定性に優れるといわれている。構造上、燃費が悪くなるが、スバル車を愛好する「スバリスト」は燃費に寛大だ。


水平対向エンジンの「SUBARU BOXER」(同前)

中国での落ち込みが業績を直撃した日産とホンダ

 日産、ホンダとの明暗を分けたのは、SUBARUの中国依存度が小さかったためだ。2025年3月期の世界販売93.6万台のうち、北米が66.2万台で全体の7割を占める。一方、中国はわずか3000台しかない。

 対する日産はコロナ禍以前まで、中国で全体の4分の1強を占める年間150万台以上を売っていたが、2024年度は約70万台まで落ち込んでいる。北米も底打ちしたが以前の水準を下回る。ホンダの4輪も同様に、ピーク時から半減近くまで落ち込み、アジア諸国や北米でも苦戦している。中国市場での失敗は日産、ホンダの両者にとって痛手となった。

 近年、中国ではEV化率が急上昇している。もっとも、テスラのような高級車が売れているのではなく、販売台数を伸ばしているのは「代歩車(歩く代わりに乗る車)」と呼ばれるような小型車だ。

 不動産不況と米国による事実上の制裁で景気が悪化する中国では小型EVが売れるようになった一方、投資マネーが不動産からEV生産に流れ、小型車を手掛ける地場のメーカーが台頭した。このような小型EVの台頭を前に、日本車が売れなくなったのだ。SUBARUは2010年代から中国市場を強化してきたが、認知度が上がらず開拓に失敗。もともと売れていなかったために、EV化の影響は受けなかった。

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