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人手不足、時給高騰……ミニストップ不正の裏にある現場の苦境
コンビニのミニストップの一部店舗が店内調理のおにぎりや弁当の消費期限を偽っていた問題。ミニストップは「組織的関与はない」としているが、全国約1600店舗で店内調理のおにぎりと弁当、総菜の販売を中止した。
コンビニのミニストップの一部店舗が店内調理のおにぎりや弁当の消費期限を偽っていた問題。ミニストップは「組織的関与はない」としているが、全国約1600店舗で店内調理のおにぎりと弁当、総菜の販売を中止した。最も多い11店舗で不正が見つかった大阪府内では、管轄するそれぞれの保健所が、食品表示法違反の可能性もあるとして立ち入り検査を行い、指導する方針。専門家はどう見るか。
ミニストップが置かれている経営状況の厳しさを指摘するのは、「セブン―イレブン」で平成11〜18年に本部社員として勤務し、現在はコンビニ研究家として活動している田矢信二氏だ。
田矢氏は「全店舗数を考えると23店舗での不正は多いと感じる。特に7割が大阪を中心とする関西だ。コンビニ大手3社が大阪にそれぞれ1千店舗以上構える中で、ミニストップは約80店舗で戦っているという厳しさがある」と話す。
業界全体で食品ロスに取り組む必要性が指摘される中、人手不足、時給の高騰、さらに商品価格の上昇が複合的に影響していると推測。「やってはいけないのが大前提だが、廃棄量で調整せざるを得ないところまで追い詰められた上での苦肉の策だったのか、背景を解明するべきだ」と言及する。
その上で、商品の廃棄についてのマニュアルがどこまで整備されていたのか、本部とFC店側でどこまで認識が共有されていたのかも問題だとした。(浦柚月)
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