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新浪氏会見で浮かび上がった“3つの矛盾” 「潔白」「ガバナンス」「サントリーへの愛」(2/2 ページ)

違法の疑いがあるサプリメントに関する捜査を受け、サントリーホールディングス(HD)の会長を辞任した経済同友会の新浪剛史代表幹事は3日の定例会見で、「当面の活動は自粛する」と述べたうえで、進退を同友会の判断にゆだねるとした。

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産経新聞
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サントリーと同友会は役割が違う

 新浪氏の自粛期間は岩井睦雄筆頭副代表幹事が代行する。新浪氏は進退を「(同友会の)透明性の高い仕組みに、判断を委ねる」とした。同友会は月内にも新浪氏の進退を判断する見通しだ。

 新浪氏は「サントリーはサプリを扱うことに重きを置いた」とサントリーHD会長辞任の理由を説明、同友会は「役割が違う」と、留任の正当性を訴えた。留任となった場合、同友会のガバナンスに疑念を持たれる可能性は否定できない。日本を代表する大企業と経済団体で判断に齟齬が生じる影響は小さくない。

アメリカでハイボール広げた仲間

 新浪氏はサントリーHD会長の辞任を受け入れた理由について、「一緒になって現場を回って、泣き、笑い、アメリカでハイボールを広げた仲間にご迷惑をかけてはならない」と「サントリー愛」を口にした。サントリー社内の権力闘争があったとする一部の報道について、「(『はめられた』という)そういう発言は一切していない」と一蹴。一方で、「もっともっとやりたいことはあった」とも語り、「なぜ辞めないといけないか、という意志を統一して取締役会では全会一致ということになる。(サントリーは)そういう会社。みんなが同じ方向に向く意味で、私もその方向に向くということになるんだなと思った」と悔しさをにじませた。

 会見では「警察から事情聴取を受けた社長や会長は辞めないといけないのか」と語気を強める場面もあった。だが、企業の社長や会長の大多数は警察の捜査対象になることなく、自社や日本経済の発展に尽力している。

 新浪氏はサントリーHD会長の辞任を受け入れた時点で、財界の要職も自ら辞し、事態を収束させた後に復権するという選択肢もあった。進退をあいまいにしたことで財界に動揺と混乱が広がっている。(高木克聡)

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