ニュース
潔白主張の一方で進退は他者任せ 新浪代表幹事に問われるリーダーの資質(2/2 ページ)
経済同友会の新浪剛史代表幹事は3日の記者会見で、自身の進退について「同友会に判断を委ねる」と述べるにとどめた。
「経営者の資質欠く」
態度をはっきりさせない新浪氏に対し、経済界は冷ややかだ。サントリーHDの鳥井信宏社長は「経営者としての資質を欠いた」と断じた。ある大手金融機関のトップは「本当に何も問題ないなら(サントリーを)辞めさせられない」と話す。同じ経済団体の一つ、経団連でも経営トップを追われた新浪氏が同友会トップに居座ることには懐疑的な見方がある。
これまで新浪氏はストレートな物言いで存在感を示してきた。最低賃金の全国平均を1500円に引き上げる目標では「払わない経営者は失格だ」と指摘。対応できない中小企業に対して「合従連衡すればいい」と言い放ったこともある。
企業の範となるべき財界は…
経済団体トップを巡っては、“お膝元”での憂慮すべき事態が相次ぐ。経団連の筒井義信会長の出身企業である日本生命保険では社員が出向先の銀行の内部資料を持ち出したことが7月に発覚。8月には日本商工会議所の小林健会頭が経営トップを務めた三菱商事が国内洋上風力から撤退を決め、建設予定地を失望させた。企業の範となるべき財界が揺れている。
(佐藤克史)
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.