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シャトレーゼとミニストップ 不正はなぜ起こった? 企業不祥事報道から学ぶべきこと(2/5 ページ)

繰り返される不祥事は、何が背景にあるのか。コンプライアンスに詳しい有識者が、シャトレーゼとミニストップの事例を分析する。

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非上場企業でも、社会的責任からは逃れられない

 シャトレーゼでは、「下請けいじめ」と「労働者への不当な扱い」という、性質の異なる2つ(件数としては3つ)の不祥事が明らかになりました。しかし、その根底には共通点があります。いずれも優越的地位を背景にした高圧的な姿勢によるコンプライアンス違反であり、同じ組織風土に起因した問題といえるのです。

 シャトレーゼは、業界大手でありながら非上場企業です。非上場であるが故に社会的責任意識の甘さがあったのではということが、その原因として真っ先に思い当たります。もちろん、上場企業と非上場企業とでは、投資家に対する責任という点では異なる環境にはあります。


非上場企業としての甘さもあった?

 しかし同社は、年間売上1613億円(2025年3月期連結)を計上し、6月時点で全国870店舗、海外183店舗を展開する業界大手企業という立場にあります。社会的影響力の大きさを考えれば非上場であろうとも、最大限の社会的責任意識が求められる存在です。今回の不祥事に見る、責任意識を欠く行動を生み出す組織風土は、決して放置されて良いものではないのです。

 今回の不祥事多発について、シャトレーゼ(同ホールディングスの子会社)の古屋勇治社長はインタビューで「急成長してきた中、会社がバランスを崩した」と自己分析しています。

 企業の急成長時には、事業拡大に体制整備が追い付いていかないということが起こりがちです。特にコンプライアンスの概念が存在しなかった昭和以前に創業した企業ほど、あるいはオーナー系で「組織的な運営」というよりも「ワンマン体制」で運営してきた企業ほど、社内文化としてコンプライアンスを軽視しがちであり、コンプライアンス部門を本業よりも軽く見たまま成長を続けてしまうのです。

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