コラム
シャトレーゼとミニストップ 不正はなぜ起こった? 企業不祥事報道から学ぶべきこと(5/5 ページ)
繰り返される不祥事は、何が背景にあるのか。コンプライアンスに詳しい有識者が、シャトレーゼとミニストップの事例を分析する。
どんな事例も「転ばぬ先の杖」となる
古い企業体質のまま急成長したシャトレーゼの不祥事は、昭和に創業した企業や急成長をしている企業への警鐘となり得る事例でした。一方、フランチャイズ制コンビニチェーンであるミニストップの不祥事は、経営傘下にある別資本との意識共有の難しさとともに、事業多角化やM&Aにおけるコンプライアンス意識の盲点となりやすい部分も示唆してくれています。
相次いで報道されるコンプライアンス違反事例は、一見すると自社に無縁と思われるものでも、素通りせずに原因面からそれらに着目していれば、未然防止に役立つものが存在します。不祥事に限らず、一見自分には無縁に見える他人の失敗も、その原因をよくよく見聞きすれば「転ばぬ先の杖」となり得るのだ、ということを最後に付け加えさせていただきます。
著者プロフィール・大関暁夫(おおぜきあけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役
横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。銀行では企画、営業企画部門を歴任し、06年支店長職をひと区切りとして円満退社した。その後は上場ベンチャー企業役員などとして活躍。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーをする傍ら、出身の有名超進学校人脈や銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆者やコメンテーターを務めている。
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