寿司、パスタ、ステーキ……牛丼だけじゃない「松屋」から透けて見える吉野家、ゼンショーとの「差」(1/3 ページ)
牛丼各社は、一本足打法からの脱却を視野に入れた業態開発を進めている。松屋フーズホールディングスも同様にさまざまな業態を開発しているが、一方で先行するゼンショーホールディングスや吉野家ホールディングスと比較して課題も見えている。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
松屋フーズホールディングス(HD)は、これまで牛丼チェーンの「松屋」と他業態店を併設した「複合店」を出店してきた。かつ丼の「松のや」、カレーの「マイカリー食堂」など、3業態を合わせた店舗も出店しており、豊富な商品バリエーションが支持され、店舗数を増やしている。
一方で、新業態単独による出店も進めてきた。寿司やラーメン、パスタと種類はさまざまだ。すき家のゼンショーホールディングス(HD)では「はま寿司」や「ココス」、吉野家ホールディングス(HD)も「はなまるうどん」を展開するなど、新業態開発では牛丼御三家の他社が先手を打っている。松屋も新業態店を成功させられるだろうか。
複合店を広げてきた松屋フーズHD
松屋フーズHDが展開する牛丼ではない業態の店は、単独店ではなく複合店が中心だ。複合店は食堂のような構造で、店内で業態ごとに分かれているわけではなく、同じコーナーから料理を受け取る形式である。
松屋フーズHDは2019年に複合店を出店し、現在はグループで約1400店舗を展開している。10月7日時点で松屋が約1150店舗あるのに対し、松のやは約560店舗であることから、松のやの複合店も多いと考えられる。マイカリー食堂(併設型)は約150店舗だ。
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