「給与はそのまま」企業は4割超 最低賃金1121円への対応実態
東京商工リサーチの調査によると、2025年度の最低賃金引き上げ(1121円)に対し、企業の43.2%が給与を据え置き。引き上げ対応や許容額、対策の実態も明らかになった。
東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、厚生労働省が2025年度の全国平均の最低賃金を1121円(66円増)に引き上げたことを受け、企業を対象にアンケートを実施した。その結果、「最低賃金以上の時給で雇用しており、給与を変更しない」と回答した企業は43.2%だった。
「引き上げ後の最低賃金より低い時給での雇用はないが、給与を引き上げる」は29.5%、「現在の時給は最低賃金額を下回っており、同額まで引き上げる」は15.2%。「現在の時給は最低賃金を下回っており、最低賃金額を超える水準まで引き上げる」は11.9%だった。
規模別でみると、引き上げ後の最低賃金より低い時給は、大企業で25.9%、中小企業では27.2%だった。
来年度許容できる引き上げ額を聞いた。最多は「許容できない」で18.8%。レンジ別で最多は「91円以上100円以下」の15.4%で、中央値は60円、平均値は100.7円だった。
産業別に見ると、「許容できない」の比率が最も高いのは農林漁業・鉱業の32.2%。許容額「101円以上」が最も多かったのは、情報通信業の29.4%だった。
「最低賃金の上昇に対して、どのような対策を実施、検討しているか」の質問には、「商品やサービスの価格に転嫁する」(39.1%)が最も多かった。以下「最低賃金上昇の影響はない」(24.1%)、「設備投資を実施して生産性を向上させる」(20.1%)が続いた。
一方、「できる対策はない」と回答した企業は14.0%に上った。
インターネットによる調査で、対象は6280社。調査期間は10月1〜8日。
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