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純金の「大谷翔平」に「ルパン三世」……各社が熱視線、令和の“ゴールドラッシュ”はどこまで続くのか?(1/3 ページ)
近年、金の価格が高騰している。これを受け、各社も関連商品やサービスを発表し始めた。いったいどこまでこの“令和のゴールドラッシュ”とも呼ぶべき熱狂は続くのか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
金価格の高騰が続いている。国内のグラム当たり小売価格は長らく5000円以下を推移していたが、直近では2万2000円台を推移する。イオンでは大型セール「超!ブラックフライデーセール」で5000万円超の純金でできた銚子セットを販売し、純金製のフィギュアや記念コインを発売する企業も続々と現れて金価格の高騰にあやかろうとしている。「ゴールドラッシュ」に乗る各社の動向を解説していく。
これまであまり注目されてこなかった?
金価格を長期で振り返ると、そこまで大きな値動きはなく、基本的には安定してきた。1980年初めには、ソ連によるアフガニスタン侵攻で1グラム7000円に迫ったが、その後は緊張緩和で落ち着きをみせ、長期では下落トレンドが続いた。1990年代には1000円台を推移していた。
2000年代から上昇トレンドに入り、2011年には28年ぶりに4000円を突破し、近年も高騰が続いている。地政学リスクが上昇すると金に資金が流れると言われ、昨今の動きはロシアによるウクライナ侵攻や米中対立が影響しているとされる。不動産価格の高騰と同様、コロナ禍で各国政府がばらまいたマネーが金に行きついたことも関係している。
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