「消費期限偽装」のミニストップ 店内調理品の販売再開で苦しい業績は変わるのか(1/3 ページ)
消費期限ラベルの偽装で店内調理品の販売を停止していたミニストップ。この10月に販売を再開したが、厳しい経営状況は変わるのだろうか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
ミニストップが10月中旬から、おにぎり・弁当・総菜など店内調理品の販売を再開している。6月に消費期限ラベルの偽装が発覚し、8月に店内調理品の販売を中止していた。再開に当たって店内にカメラを設置し、品数を減らすなどの対応を進めているという。
創業以来の強みである店内調理で偽装したため、影響は甚大だ。7月以降は平均売上高が前年割れとなっており、客離れも進行している。もともとセブン、ファミマ、ローソンと比較して大幅に日販が低かっただけに、ラベルの偽装問題は致命傷となりそうだ。そもそもミニストップは長期で業績が悪化しており、少しでも収益を確保するため店舗側が不正を働いた可能性もある。
主力商品で不正を働いた
ミニストップはジャスコ(現イオン)のコンビニ部門として生まれた。1号店の出店は1980年で、コンビニ御三家よりも遅い。他社と差別化を図るため、コンビニとファストフードを組み合わせた「コンボストア」という位置づけで、店内調理のファストフードに力を入れてきた。
創業当初からイートインコーナーを設け、看板商品のフライドポテトは3号店目から提供を開始し、代名詞でもある「ハロハロ」は1995年発売。今回問題になった店内調理のおにぎりと総菜は、2010年に展開が始まった。
冒頭の通りミニストップは8月、消費期限ラベルの偽装を公表し、店内調理品の販売中止を決定した。対象商品は店内調理の弁当・おにぎり・総菜だ。店舗側が不正を働いたのは、単純に「廃棄を減らしたい」という思いと、「効率化のために作り置きしたい」という思いがあったためだろう。消費期限を想定してこまめに作るより、まとめて作り置きし、偽装した方が楽というわけだ。
その後、同社は10月から該当商品の販売を再開している。調理場には本部が操作できるカメラを設置して監視体制を整えた上で、作業効率向上のため70品目を23品目に削減した。
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