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運転手の51%が転職を意識 残業規制が突きつけた新たな課題(1/2 ページ)

トラック運転手の残業規制が昨年4月から導入された結果、残業時間が減って年収が減少し、転職を考える運転手も少なくないことが、人材関連事業などを手掛けるレバレジーズの調査で分かった

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産経新聞

 トラック運転手の残業規制が昨年4月から導入された結果、残業時間が減って年収が減少し、転職を考える運転手も少なくないことが、人材関連事業などを手掛けるレバレジーズ(東京)の調査で分かった。輸送力低下で「2024年問題」と呼ばれる物流危機が懸念される中、政府は自動運転トラックの導入を図り、民間で実証実験が進む。人材不足を技術力で補う新たな「物流革命」が進行している。

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東名高速道路で列を作る大型トラック。残業規制で収入が減り、転職を考える運転手も少なくない=6月、川崎市宮前区(相川直輝撮影)

 レバレジーズは今年10月、長距離トラック、中近距離トラック、タクシー、バスの運転手を対象にインターネット調査を実施し、630人から有効回答を得た。

 昨年4月から残業などの時間外労働の上限規制が始まったことで、28.1%の運転手が残業時間について「減少した」と回答した。年収については「変化なし」が53.8%、「減少した」が25.7%、「増加した」が15.7%だった。

 規制による業務や生活での変化を聞いたところ、残業時間や賃金の変化のほか、「職場内の退職者の増加」が19.0%だった。「転職を検討したことがあるか」との質問には、41.4%が「ある」と答えた。これに「すでに転職した」を加えると計51%に上った。

 転職を検討した理由は「給与が減少し、より給与水準が高い企業へ転職したかったから」が最多で43.6%だった。

 同社の担当者は「今回の法改正(時間外労働の上限規制)が企業の人材確保や人員体制の維持にも影響を及ぼす可能性を表している。ドライバーの確保だけでなく、離職防止に向けた待遇や労働環境の見直しもより一層必要」とコメントしている。

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