「閉ざされた国」サウジアラビアの特大スーパーに潜入! 国民の過半数が「30歳以下」の国で進む小売DXの実態: がっかりしないDX 小売業の新時代(5/5 ページ)
中東・サウジアラビア(以下、サウジ)は2019年まで、観光目的での入国を禁止しており、「閉ざされた王国」でした。今回の記事では、そんなサウジのスーパー事情を紹介します。
どちらが優れているかではなく「どこで勝負するか」
本記事のポイント
- DXの効果は「新しいこと」より「面倒を減らすこと」
- ECは良いデザインのサイトがあるだけでは成立せず、欠品・代替・配送・CSの運用が重要
- 会員プログラムはポイント制度ではなく、価格と在庫と体験を束ねる
ここまで、サウジにおける外資のカルフールと内資のDanube、それぞれの特徴を紹介しました。
カルフールは、カテゴリーの広さと配送の選択肢を含む総合力で、生活者の購買をまとめにいく設計です。中東最大級のリテールグループのスケールを生かし、標準化されたオペレーションで「どの店でも同じ体験」を提供します。
Danubeは、ECを成立させるための裏側(在庫精度・ダークストア・ロイヤルティ運用)に投資し、実務で勝つ設計です。3億9000万ドルのダークストア投資計画は、「プレミアム×確実な配送」という価値提案を支えます。
サウジはVision 2030の追い風で変化が速い市場です。電子決済比率が8割前後、30歳以下が過半数という環境では、デジタル対応は「あればうれしい」ではなく「なければ選ばれない」前提条件になっています。
だからこそ、DXの評価軸は「新しいことをやった」ではなく、「不満が減って継続利用が増えた」に置くべきです。その意味で、カルフールとDanubeの比較は、サウジの今の小売DXを理解するのに良い題材になります。
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