好況なはずのソフトウェア業界で倒産増 2025年度は過去10年で最多ペース、なぜ?
帝国データバンクによると、2025年度の「ソフトウェア業」の倒産件数は2月までで195件に達した。
帝国データバンクの調査によると、ソフト受託開発とパッケージソフトウェア業を合わせた「ソフトウェア業」の2025年度の倒産件数は、2月までに195件となった。
過去10年で最多だった2024年度の同時期(195件)と並ぶ水準となった。負債額別では「1億円未満」が165件で、全体の約84.6%を占めた。小規模事業者を中心に淘汰が進んでいる。
業種別に見ると「ソフト受託開発」の倒産は157件だった。受託開発では、大手企業からその他の企業へ仕事が再委託される多層構造になりやすく、下流工程を担う中小・零細事業者は価格交渉で不利になりやすい。その結果、十分な賃上げの原資を確保できず、人手不足による受注減や開発頓挫などが発生。資金繰りが悪化して倒産に至るケースが増えている。
「パッケージソフトウェア業」は38件で、2000年度以降で最多となる見通しだ。パッケージソフトは収益化まで時間がかかる傾向があり、その間に人件費などの固定費が増加したことが経営を圧迫した。
倒産した企業には、ゲームやスマートフォンアプリなど、流行の影響を受けやすい分野の開発会社も一定数含まれた。また、人流分析やPOSシステムなど実店舗向けサービスでは、コロナ禍による需要減に加え、コロナ後の人手不足や開発費の上昇が重なり、経営が行き詰まるケースも目立った。
一方で、ソフトウェア業界全体の需要は堅調だ。帝国データバンクの景気動向調査によると、ソフトウェア業を含む「情報サービス業」の景気DIは過去10年近く上位を維持している。景気DIは企業の景気感を数値化した指標で、2021年10月以降、情報サービス業は景況感が「良い」とされる50以上を保っている。
しかし、人手不足は深刻だ。帝国データバンクの調査では「情報サービス業」で正社員の人手不足を感じる企業の割合は1月時点で69.2%に達した。
人材獲得の競争激化や賃上げの流れを背景に、人件費も高騰している。厚生労働省によると「情報サービス業」の月の所定内給与(2025年平均)は38万3755円で、前年より2.5%増加した。これは全業種平均の26万7532円を大きく上回る水準だ。
帝国データバンクは「当面は、小規模事業者を中心に人手不足を起因とした倒産が高水準で推移することが見込まれる」と分析した。
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