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「すき家」からどんどん波及、ファミレス以外も導入が加速「深夜料金」はどこまで広がっていくのか(1/3 ページ)

これまでは基本的にフルサービスの業態が導入していた深夜料金だが、昨今は人件費の増加もあり、セルフに近い業態でも導入が進んでいる。各社の動向をまとめる。

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著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 飲食チェーンで深夜料金の導入が相次ぐ。

 すき家は2024年4月3日以降、午後10時から翌午前5時の間の注文に対して価格の7%を加算している。松屋も同様に2025年4月22日以降、同じ時間帯で7%前後の加算を本格化した。また、回転寿司大手のはま寿司は、この3月3日から午後10時以降に一律7%を加算し始めた。各社の値上げ幅は7%が相場なようだ。

 人手不足で賃金の上昇が続くなか、各社は商品の値上げでコストアップに対応してきた。だが、深夜の賃金を上げる必要があり、コストを吸収すべく深夜料金の導入に至った。飲食各社の事例を追っていく。


出所:ゲッティイメージズ

吉野家だけ導入していない「深夜料金」

 すき家の牛丼の並盛は現在450円で、深夜価格は481円になる。当時、深夜料金を導入するのは牛丼チェーン初であり、深夜営業を維持するための原資確保が目的だ。2025年1月に発生した異物混入事件を機に24時間営業を取りやめたものの、多くの店舗で午前4時〜翌3時の「23時間営業」を実施している。


牛丼チェーンとして初の深夜料金を導入したすき家

 松屋は2024年5月から試験的な運用として深夜料金を約100店舗に導入していたが、2025年4月から本格的に導入した。牛めし並盛(460円)は割増料金を加算すると492円となる。すき家と同じく深夜営業の原資確保が目的だった。

 商品の値上げと異なり、深夜料金の設定は全体の客数に影響を与えにくい。

 すき家の既存店客数は深夜料金の設定以降、異物混入事件まで好調に推移し、2024年度は前年比で2.5%増となった。松屋も2025年度は前年と同水準を維持しており、全体的な客離れにはつながっていない。

 吉野家は深夜料金を導入していないが、一部報道によると研究段階にあるという。牛丼並盛は498円と業界の中で最も高く余裕がありそうだが、国内吉野家事業の利益は前年比13%減(2026年2月期第3四半期)だ。今後、収益率の改善を目的に導入するかもしれない。

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