債務超過&赤字から大復活→海外に積極進出 値上げによる客離れに苦しんでいた「大戸屋」が息を吹き返せたワケ(1/4 ページ)
定食チェーン「大戸屋」が海外へ積極的に出店するなど、復活の気配を見せている。一時は赤字や債務超過に陥っていたが、なぜ復活できたのか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
大戸屋ホールディングス(HD)の業績が好調だ。2026年3月期の業績は第3四半期時点で売り上げが前年同期比18.2%増、営業利益は同19.5%増となった。通期では売上高337.2億円、営業利益17.3億円を見込んでおり、ともに過去最高を記録した前期を上回る可能性が高い。
大戸屋はかつて、値上げにより客離れが進み、債務超過に陥った経緯がある。だが外食大手のコロワイド傘下で改革が進み、業績が回復した。定期的にフェアを展開し、飽きさせない工夫も凝らしている。定食業態はフランチャイズ離れにより規模を縮小する流れにあるが、大戸屋は質を高める方向に舵(かじ)を切っている。
火災で建て替えた店舗が女性にヒット、現在の原型に
大戸屋は1958年に東京・池袋で開業した「大戸屋食堂」をルーツとする。全品50円を標榜し、客に親しまれた店を長男が事業を継承し、1992年に「大戸屋ごはん処」のモデルとなる店舗を開業した。
新店は火災にあった店舗を清潔感のある明るい店舗に変えたもので、女性客も多く来店したことから、後の大戸屋の原型となった。揚げ物や肉類を提供する定食店が多い中、大戸屋は「鶏と野菜の黒酢あん定食」のように鶏・魚を中心としたメニューを充実させ、健康志向の定食屋というブランドを確立した。
主に都市部の駅周辺やビル内に直営とフランチャイズの両軸で店舗数を増やし、ピーク時には350店舗超を展開した。海外でもタイや台湾、米国などに進出している。
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