帝国データバンクの調査によると、2025年度の花屋市場(事業者売上高ベース)は約2250億円に達したことが分かった。前年比1.4%増で2年ぶりに前年を上回る見込みだ。
花屋の業績動向(見通しを含む)を見ると「前年度並み」が6割超を占める一方で、「増収」は18.5%だった。損益面では「増益」が40.9%で、前年度の32.6%から上昇した。
花屋市場はコロナ禍で落ち込み、近年横ばいが続いていた。市場が拡大した背景として帝国データバンクは「母の日イベントをはじめとして、家族や友人へのカジュアルな贈り物としてフラワーアレンジメント(器に吸水性スポンジをセットして花を挿して作る飾り)が選ばれるようになった」と分析。
壁に花を飾る「フラワーウォール」や花を使ったフォトスポットなど、写真映えするコンテンツとして花の価値が見直されつつあるという。そのためイベントや展示会での花を使った空間プロデュース、オフィス・商業施設向けの装花・グリーンレンタル(観葉植物などのレンタルサービス)などが増加しており、大型ディスプレイ用の装花が提供できる花屋の業績が改善傾向にある。
ドライフラワーや塊根植物(根や茎が太く、観葉植物として人気)など専門性の高い商品をECで販売し、根強いファンを開拓する花屋もある。
最近では、ライブや舞台などの出演者に向けて、ファンが推し活の一環としてスタンド花を贈る「フラワースタンド」(フラスタ)も定番化しているという。演者のイメージに合わせてデザインするため、一般的な生花販売より高単価・高収益になりやすい。
一方で、減益・赤字の花屋も多く「業績悪化」の割合は58.4%に上る。家庭用花卉(かき、観賞用に栽培される植物のこと)の買い控えや量販店との価格競争、冠婚葬祭需要の縮小、肥料や資材費の高騰などが影響している。
2027年には、37年ぶりとなる国際園芸博覧会(花博)が神奈川県横浜市で開催予定だ。帝国データバンクは「ライフスタイルに花を取り入れる文化が再評価されるといった効果への期待度も高い」と指摘する。
同社は「『映える』フラワーアレンジメントなど花屋の技術も試されるなかで、『花を通じた体験価値』をどう提供できるかが、今後の花屋業界を生き抜くカギになるとみられる」とコメントした。
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