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「わずか50席」離島に住む人が使うプロペラ機に“マイル修行僧”殺到で大迷惑 JAL多良間島騒動が起きてしまった根本原因(1/3 ページ)

今年の初め、国内の離島で騒動が起こった。島民たちのライフラインである1便50席のプロペラ機に、マイル修行僧が殺到したのだ。なぜこんなことが起こってしまったのか。

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著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 沖縄の宮古島と結ぶJALグループの航空便が、1日に2往復だけ離発着している多良間島・多良間空港。同便はプロペラ機で運航され、席数はわずか50席だ。

 このマイナーな路線が、1月から2月にかけて話題となった。満席が続き、島民が予約しにくい事態が発生したのだ。

 急に多良間島の観光客が増えたわけではない。マイルを貯めて会員ステータスの向上を狙う「マイル修行」目的の利用客が殺到した。島民の生活路線であるため、多良間村は運行会社の琉球エアーコミューター(RAC)に増便を要請。JALは同路線をポイント2倍キャンペーンの対象外とした。今回の騒動を引き起こしたポイントプログラムの制度とその問題点を解説していく。


出所:ゲッティイメージズ

「1年ごと」と「生涯」で分かれるステータス制度

 航空会社各社のマイルは飛行機に乗るなどして貯められる。「航空券に交換」「累計マイルによって特定の会員ステータスが付与」といったことが可能だ。JALでは「FLY ON プログラム」と「JAL Life Status プログラム」を通じて、会員のランク付けを行っている。

 FLY ON プログラムは1年間の搭乗実績で翌年のステータスを決定する単年性のプログラム。3万FOP(FLY ON ポイント)を貯めると「クリスタル」、5万FOPで「サファイア」といったステータスを設定している。いわゆる「マイル修行僧」と呼ばれるポイント獲得に積極的な人たちが目標とするのは8万FOPの「プレミア」会員以上とされる。


出所:JAL公式Webサイト

 プレミア会員は航空券の優先予約ができるほか、搭乗時にJALの最上級ラウンジを使える。8万FOPを貯める以外には「80回搭乗+2万5000FOP」でもステータスを獲得可能だ。

 JAL Life Status プログラムは単年性ではなく、毎年のポイントを積み立てられるサービスだ。FLY ON プログラム同様にポイントでステータスが変動し、空港ラウンジが利用できるなどの特典がある。1500LSP(Life Status ポイント)が必要になる「スリースター」が修行の目安とされる。


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