AIの巨人たち、国内のAI導入支援に本気 「中小向けCopilot」登場は追い風になるか
Microsoftが中堅・中小企業向けのCopilotプランをリリースした。国内展開の先陣を切るのはソフトバンクだ。両社は、AI導入の課題になっている「費用」「セキュリティ」などを解決して、AI活用を前進させられるのか。
MicrosoftはAIサービス「Microsoft 365 Copilot」において、中堅・中小企業向けの提供を開始した。300ユーザー以下の企業を対象としており、中小企業でも導入しやすい手頃な価格のプランとなっている。利用料はプランや為替によって変わるが、1ライセンス当たり約3000円から利用でき、大企業向けプランよりもハードルが低く設定されている。これは、個人向けAIチャットサービスとほぼ同じ価格帯だ。
同プランの背景には、企業規模によって生成AIの利用状況に差があるという現状がある。潤沢な資金と専門人材を擁する大企業は、生成AIを使った業務改革を成功させている。一方で、中堅・中小企業は「利用料が高い」「使いこなせる人材がいない」「セキュリティが不安」といった懸念から、導入しているのは一部の先進的な企業に限られている。
「日本は、企業の99%以上が中堅・中小企業です。この層がAIを活用することが、日本全体の競争力を高めることにつながります。Microsoftは、中堅・中小企業のAI活用を推進させるための投資に注力します」――マイクロソフトの加藤友哉氏はこう強調する。
Copilot Businessの国内展開を担うのが、Microsoftのパートナーであるソフトバンクだ。 “日米のAIの巨人たち”が肩を組んだことで、中堅・中小企業のAI活用はどう進展するのか。
AIの巨人たちが見る国内動向
日本のAI活用は二極化していると加藤氏は指摘する。日経平均株価を構成する大企業である日経225の約94%が「Microsoft 365 Copilot」を導入しており、AIエージェントを使う企業も増えてきた。業務時間の削減や働き方改革といった成果を手にする「フロンティア企業」への変革が加速している。
中堅・中小企業は、フロンティア企業に至る道半ばにあるケースが多い。個人向けAIサービスの盛り上がりを背景に、中堅・中小企業もAI活用に注目しているとソフトバンクの築山直弥氏は言う。体験会を開くとDX担当の参加者が多いことから関心の高さがうかがえるが、「便利さは分かっていても『どこから始めればよいか分からない』という課題を解決できずに導入が進んでいないのが現状です」(築山氏)
働き手不足が深刻化する中で、「今いる従業員の能力をどう最大化するか」「一人一人の生産性をどう向上させるか」は引き続き重要な課題であり、「AIを用いた従業員のパフォーマンス向上を組織全体に広げることで、中堅・中小企業に大きなインパクトを与えます」(加藤氏)。日常業務で使っているWordやExcel、PowerPointといったMicrosoft 365 アプリに組み込まれているAI「Microsoft 365 Copilot」は、導入や学習の手間がかからないため業務が変わる体験をすぐに得られると加藤氏は説明する。
ソフトバンク社内のAI活用が難航した理由
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365 アプリにAIが乗っているため「Microsoft Teamsで開催した会議の議事録を作る」「Microsoft SharePointに保存したデータを参照して質問に答える」「Microsoft Excelに入力された営業データを分析する」といったことが可能だ。中堅・中小企業向けのCopilot Businessも同じ機能が使える。
ソフトバンクはMicrosoft 365 Copilotを活用しているが、最初は難航したという。スモールスタートで成果を積み上げながら全社に展開する予定だったが、利用者がアイデアや成功体験を共有できる仕組みが整っておらず、組織的な活用に至らなかった。多様なITツールを導入しているが故に、データがたまらないという課題も顕在化した。
「『Microsoft 365』に業務データが蓄積されていませんでした。Copilotは、SharePointやOneDriveにある情報を生かすほど真価を引き出せます。中堅・中小企業は予算の都合もあって一つのグループウェアを使い込んでいることが多々あり、それはAIを使う上でアドバンテージになります。データがたまっているほどAIを使うメリットが大きくなります」(築山氏)
データがMicrosoft 365に蓄積されれば、AIの効果がより一層、強力に現れると加藤氏は説く。「部署内でこれまで会話した内容やコンテキストをCopilotが読み取って、同僚のように返答します。これは数あるスタンドアロン型AIには難しい点です」
ソフトバンクも社内データを集約してCopilotの利便性を手に入れた。築山氏は、指示したタスクを自律的にこなす「エージェントモード」が画期的だと評価して、「Copilotエージェントを生かすためにもデータの集約は欠かせません」と述べる。
「AIは良いものだが高価だ」という声に応えるCopilot Business
生成AIの価値を享受しようとする企業の前に立ちはだかるのが「費用」と「セキュリティ」の課題だ。中堅・中小企業によるAI活用の裾野を広げるには、この課題を乗り越えなければならない。
「Microsoft 365 Copilotは1ユーザー当たり月額30ドルです。中堅・中小企業から『良いものだと分かるが当社にとっては価格が高い』という声があったのは事実です。これを受けて、300ユーザー以下の企業向けに約30%安価なCopilot Businessをリリースしました。機能は通常版と変わりません。Copilotの裏で動くAIモデルにOpenAIやAnthropicの最新モデルも選べます」(加藤氏)
通常版は年間プランしかないが、Copilot Businessは月額プランがある。「まずは1カ月試してみる」「余っている予算でまずは体験してみる」など柔軟に利用できるのがポイントだ。
Microsoft 365とCopilot Businessをセットにしたバンドル版も用意されている。「業務アプリの刷新」「社内データの集約」「AIの活用」「セキュリティ対策」を一気通貫で実現可能だ。ソフトバンク経由で契約するとスタートダッシュキャンペーンの割り引きを受けられる(こちら)。
Microsoft 365は使える機能によってクラス分けされている。
- Microsoft 365 Business Basic:Webブラウザ版Microsoft 365 アプリを利用できる
- Microsoft 365 Business Standard:Basicに加えてデスクトップ版Microsoft 365 アプリも利用可能
- Microsoft 365 Business Premium:Standardに加えて高度なセキュリティ機能が使える
AIを安全に使える環境をつくる
Microsoft 365とCopilot Businessの組み合わせは、セキュリティ面でも利点がある。Microsoft 365は、暗号化や高度な認証技術によってデータを保護している。中堅・中小企業であっても、Microsoftが構築した大企業レベルのセキュリティ対策を土台にしてAIを利用できる「攻めと守りのバランスの良さ」が特徴だと加藤氏は話す。
Copilotは、ユーザーのアクセス権限に応じて社内データを参照する。Microsoft 365の権限管理を生かして「一般従業員が経営データについてCopilotに聞いても回答しない」「個人情報を含むフォルダはCopilotに読み込ませない」といった運用が可能だ。
「従業員がAIに機密データをアップロードしてしまった」というインシデントを防ぐには、Microsoft 365 Business Premiumに付属する「データ損失防止(DLP)」機能が有効だ。データの分類やアクセス状況を確認して、不適切な外部送信やデータの漏えいを阻止できる。
日本マイクロソフト×ソフトバンクで後押しするAI活用
AI導入を決めた企業は、「AIの導入や活用を指揮できる人材がいない」という課題に直面することがある。人的リソースが足りない企業が多いが、Copilot BusinessはMicrosoft 365の延長線で使えるため難易度が低いと築山氏は語る。
「AIは導入して終わりではありません。組織全体で活用する文化を醸成することが重要です。ソフトバンクは『AI定着化サービス』などの支援メニューをそろえており、『AI導入に関する各種ハンズオン・トレーニング』『AIエージェントの開発』『ナレッジシェアの体制づくり』『Microsoft 365やMicrosoft Azureの運用体制の構築』など幅広い範囲をサポートできます」
同社の「Copilot定着化支援サービス」は100社以上から相談が入っており、2025年度にかけて十数社の支援を始めている。この取り組みが評価されて、日本マイクロソフトのパートナー表彰プログラム「Microsoft Japan Partner of the Year 2025」を受賞した。専門的な技術と実績があることを証明する認証「Microsoft Copilot Specialization」も取得しており、企業のCopilot活用を支える力を備えている。
こうした支援を受けながら、現場で「Copilotはこう活用できる」という成果を積み上げるボトムアップの取り組みと、経営目線で従業員体験(EX)の向上に資する環境を用意するトップダウンの施策をかみ合わせることでAI活用を軌道に乗せられる。ビジネスプロセスが変わればイノベーションが生まれるように、競争力の源泉としてAIを位置付けることが重要だ。
「人手不足などの構造的な課題に向き合いながらAIを安全かつ円滑に活用するには、Microsoft 365の上で動作させることが成功の鍵です。中堅・中小企業のお客さまの成功が私たちの成功であり、日本全体の成長につながります。この第一歩を起点に、多くのお客さまがAI活用を前進させられるよう支援していきます」(加藤氏)
「巨人の肩の上に立つ」という慣用句がある。先人たちが積み上げてきた成果の上に立って、新たな価値を創出するという意味だ。Microsoftが開発したCopilotを、実績が豊富なソフトバンクの支援の下で活用することで、中堅・中小企業はスタートダッシュを切れるはずだ。
Microsoft 365が永続割引に
ソフトバンクがMicrosoft 365とCopilot Businessを割安価格で利用できる独自キャンペーンを実施中だ(こちら)。1ライセンスから契約可能。申し込んで、機能や効果を確かめてみてはいかがだろうか。
Microsoft 365
- Microsoft 365 Business Basic:14%OFF
- Microsoft 365 Business Standard:15%OFF
- Microsoft 365 Business Premium:16%OFF
Copilot Business単体
- Microsoft 365 Copilot Business:15%OFF
バンドルプラン
- Microsoft 365 Business Standard & Copilot Business:35%OFF
- Microsoft 365 Business Premium & Copilot Business:25%OFF
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:日本マイクロソフト株式会社、ソフトバンク株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年6月12日






