なぜタダ? 「0円カットモデル」の仕組み(1/3 ページ)
「タダより高いものはない」。無料サービスを受けたら、客として囲い込まれて次から高い料金を払わされる。そんな警戒の意味で使われていたことわざだ。だが今、無料で美容院を利用できる「0円カットモデル」が流行しているという。
「タダより高いものはない」。無料サービスを受けたら、客として囲い込まれて次から高い料金を払わされる…。そんな警戒の意味で使われていたことわざだ。だが今、無料で美容院を利用できる「0円カットモデル」が流行しているという。練習台として「髪を切らせてほしい」新人美容師の熱意と、「美容代を節約したい」利用者のニーズがマッチ。予約アプリ「minimo」(ミニモ)では、0円メニューの予約件数が昨年過去最高の154万件に上った。無料の背景には、何があるのか?
「人の頭で、たくさん練習したい」
東京・原宿の遊歩道沿いにある「Lond」表参道店。正規料金のカットが8800円の店だが、入社2年目のアシスタント、須田大葉(たいよう)さん(22)は、昨年10月から100人以上を0円で施術してきた。
「美容師の教育に理解があって、優しいお客さまが多いかな。頭の形と髪質、毛量、生え際、髪の肩へのかかりかたなど、人によって全く違う。数をこなすことが勉強になります」
この日は、平日に半休を取って来店した女性会社員(65)がレイヤー(髪に段差を入れたカット)を要望。「短く切るとレイヤーの幅が狭くなるので、5センチくらいのカットでそろえるのがいいですね」と、接客も堂に入っている。 いったん完成したところで上司のチェックが入り、再度カット。通常の倍の2時間もかかったが、軽やかになった髪に「気に入りました!」と笑顔の女性。0円は今回5店舗目の体験という。「物価高騰のなか助かります。知人から、こういうのがあると教えてもらったので『0円』への不安もなかった。実はあまり髪にこだわりはなくて価格重視ですが、おしゃれな雰囲気で施術してもらって満足」
カットモデル募集というと街での声がけをイメージするが、「初対面の女性に声をかけるのはすごく気を使うし、実際に成功率も低い」と須田さん。入社時にはミニモへの登録を会社から指示された。「ほとんどの方がここから予約してくれる。技術向上に専念できるのでありがたい」
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