2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

「静かな退職」はなぜ増えたのか 10年データで見えた働き方の変化(2/5 ページ)

「成長したい」と考える正社員が初めて7割を下回った。増える「静かな退職」、学ばない社員、低下する管理職意向――。10年分の調査データから、正社員の価値観が“省エネ型”へ変化する実態を読み解く。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

静かな退職の「質」が変わった

 静かな退職と一口に言っても、その実態は一様ではない。本調査では、働く幸福度と主観的パフォーマンスの高低を掛け合わせ、静かな退職者を4つのタイプに分類している。

 幸福度もパフォーマンスも高い「戦略型」は、自ら働き方をコントロールしながら成果を出している層だ。一方、幸福度もパフォーマンスも低い「無気力型」は、意欲を失い最低限の業務をこなすだけの状態にある。この無気力型が、2021年の29.3%から2026年には41.8%まで急増した。

 戦略型(2.3ポイント減)や、パフォーマンスは高いが仕事への充実感は低い割り切り型(11.8ポイント減)が減少する中、静かな退職の内訳は「やる気を失った層」に偏り始めている。

photo
「無気力型」に偏り

 行動面の変化は、学びにも及んでいる。勤務先以外での学習・自己啓発について「特に何も行っていない」と答えた正社員は53.6%に達し、過去最高を更新した。管理職への意向も16.6%と過去最低だ。厚生労働省の「能力開発基本調査」(2024年)でも、正社員の自己啓発実施率は45.3%にとどまっており、過半数が学んでいない構図は統計でも裏付けられている。

photo
正社員の半数以上が学ばなくなった
photo
管理職意向も低下

 中俣氏は背景として、働き方改革の「副作用」を指摘する。残業は減った一方で、業績向上への圧力は変わらず、仕事の余白がなくなった。日々の業務をこなすだけで手一杯になり、チーム内の助け合いや一体感が薄れる「関係性の希薄化」が、学びや挑戦に向かうエネルギーを奪っているという見方だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る