インタビュー
副業が「転職の入口」に 20代で広がり始めた“お試し就業”の実態(5/5 ページ)
副業先へそのまま転職する人が増えている。特に20代では「収入目的」よりも、スキル確認やキャリア形成を目的に副業を始めるケースが拡大。副業が“転職前のお試し期間”として機能し始めている。
「入社前」も「退職後」もつながる時代へ
副業先への転職という流れは今後も広がるのか。中俣氏は「個人が副業をキャリア形成の手段として活用している以上、企業側でも副業人材を計画的に受け入れる動きは広がっていく」と分析する。
その先に注目されているのが、「アルムナイ(退職した元社員)」との接点だ。「副業を推進する流れの中で、退職した元社員とも副業を通じて関係を維持する企業が増えていくのではないか」(中俣氏)
これまで企業と個人の関係は入社から退職までで完結しがちだったが、副業の広がりによって、入社前の「お試し期間」から退職後のつながりまで含めた、より長い関係へと変わる可能性がある。
副業は、もはや「本業の片手間」ではない。キャリアを試す場であり、転職の入口であり、企業と個人の関係を変える存在になりつつある。
企業にとっての課題は、副業を認めるかどうかではなく、副業を通じて人材とどう向き合うかだ。その答えを持てる企業が、人材獲得競争の次の局面で優位に立つのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
やっぱり、すぐ辞める新人は世の中をナメているのか 「倍速退社」の背景にある企業の病
4月の入社後、すぐに退職代行サービスを利用して会社を辞める若者がいる。「そんな人は、ロクな大人にならない」と言いたくもなるだろうが、原因は若者だけにあるわけではなく……。
なぜ、今「会社に戻る」のか フリーランス→正社員が2.8倍の背景
フリーランス人口は増え続ける一方で、正社員に戻る人も急増している。転職数は5年前の約3倍に拡大。収入構造の現実やAIによる仕事の変化が背景にあり、キャリアを「再設計」する動きが広がっている。
「静かな退職」はなぜ増えたのか 10年データで見えた働き方の変化
「成長したい」と考える正社員が初めて7割を下回った。増える「静かな退職」、学ばない社員、低下する管理職意向――。10年分の調査データから、正社員の価値観が“省エネ型”へ変化する実態を読み解く。
