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ピーク時の3分の1まで低迷 「スッパイマン」を15億円企業に復活させた”意外性戦略”(5/5 ページ)

沖縄発の乾燥梅菓子「スッパイマン」。俳優の木村拓哉さんの発言で知名度が急上昇し、ピーク時は年商10億円以上に達したが、後に4億円まで失速する。そこからV字回復を遂げ、2025年度は年商15億円を更新。どのような戦略があったのか。

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世界的キャラとコラボ連発、一人歩きで「営業」始める

 コラボ戦略は、さらに大きな広がりを生む。さまざまな商品やキャラクターとコラボする中で、潮目が変わったのは2020年から。それまで以上に大手の企業、ブランドから協業の声がかかるようになる。


60周年を記念したスッパイマンLBカスタムカー(画像:筆者撮影)

 まず流れを作ったのはカルビーのポテトチップスだ。地方の味を開拓する商品展開の一環で、2020年にスッパイマン味を発売した。その後、機動戦士ガンダムやポケモン、ちいかわ、スーパーマリオなど、日本が世界に誇るアニメ・ゲームキャラクターが「スッパイマン 甘梅一番」のパッケージを次々と彩っていった。

 スッパイマンは消費者の7割を女性が占める。上間社長は「コラボ先企業の女性社員にスッパイマンが好きな方がいて、推薦してくれるケースが多いです。ユニクロとコラボした時もそうでした。各社とも、スッパイマンのブランド力とコラボの意外性から、ある程度の売り上げを見込めると判断してくれています」と手応えを語る。

 2023年に外部調査会社に依頼してリサーチしたところ、スッパイマンの全国認知度は70%超に達した。上間社長が「ブランドは認知度が50%を超えたあたりから、一人歩きして営業を取ってきてくれるんです」と言うように、商品自体が力のある“営業パーソン”となっている。

 その間、上間政博会長が統括する営業部は全国の量販店で販路を拡大。さらに、沖縄企業として初めて、大手コンビニ2社向けのプライベートブランド商品3アイテムを展開。商品には「スッパイマン」のロゴも採用された。結果、2025年度の年商は初めて15億円を突破。2030年度には30億円規模を見据える。


スッパイマン仕様のバイクにまたがる上間幸治社長。本社直営店に展示されており、来店客の撮影スポットになっている(画像:筆者撮影)

 ただ、それはゴールではない。創業60周年を迎えた今、上間社長は「沖縄から100年続く全国ブランドを目指します」と言い切る。背景には、太平洋戦争で地上戦が行われた沖縄の歴史がある。

 「沖縄は戦争で経済が一度リセットされたため、全国区の100年ブランドはほとんどありません。だからこそ、沖縄で生まれ、沖縄の人が経営し続けている会社がストーリーを作ることで、他ジャンルとの連携も生まれ、沖縄経済の発展につながると思っています」

 新たな市場開拓にも余念がない。2022年から展開するアパレル・グッズ店「スッパイマンショップ」は限定商品をそろえて誘客を図ることで、那覇市と北谷町の2店舗とも単体で黒字を確保。3年間連続で昨年同月比を上回る売り上げを出している。

 近く、乾燥梅の海外展開へ本格的に乗り出すほか、周年企画ではスッパイマンヒーローの特撮風CMを制作し、ローカルの民放テレビやSNSで公開。Instagramでは20万回近く再生された。今後、IPビジネスに本腰を入れていくつもりだという。

 創業者の「ヒーローのように沖縄から全国へ、そして世界へ羽ばたく商品になってほしい」という願いが込められたスッパイマン。上間社長一家と従業員が一丸となって育ててきた唯一無二のブランドは、その価値を着実に高めてきた。展示会で相手にされなかった時代も、年商がピーク時の3分の1まで落ち込んだ時代も、試行錯誤をして活路を切り開いてきた“ヒーロー”の物語は、まだまだ終わらない。

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