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「午後6時から葬儀、午後7時に火葬」 新サービス「夕刻葬」は“火葬待ち”を解決できるかスピン経済の歩き方(1/7 ページ)

火葬待ちの解消や会食文化の復活に期待が集まる「夕刻葬」。業界関係者への取材から明らかとなった、その可能性とは――。

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スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。

 1946(昭和21)年創業、関東に6つの葬儀式場を運営している大手葬儀社・帝都典礼(東京都新宿区)が近く、新しい葬送サービスを始めるという。そこで、同社に問い合わせると、以下のように概要を説明してくれた。


帝都典礼(出典:公式Webサイト

 「それは『夕告葬』です。従来は別日程で行われていた通夜、葬儀・告別式、火葬を、夕刻から1日で執り行う新しいお別れの形です」

 「あれ? そんなニュースをちょっと前に聞いたような……」と思った人も多いはずだ。それは、東京都内で6つの斎場を運営する東京博善(東京都港区)が2026年2月から本格的に始めている「夕刻葬」だろう。


東京博善の「夕刻葬」(出典:公式Webサイト

 午後6時から葬儀を始めて、午後7時に火葬という流れの「夕刻葬」は、仕事や学校が終わった後にも参列がしやすい。また、式場利用料も通常28万6000円のところを19万8000円に割引されるなどのメリットがあるとして、東京博善が現在、普及に力を入れている「新しいお別れの形」だ。

 そんな「夕刻葬」に対して「夕告葬」とは名称までよく似ている。創業80年を迎えた老舗葬儀社がこんな大胆なパクりをするとは……と戸惑っていると、帝都典礼の市村圭取締役から意外な言葉が返ってきた。

 「いやいや、実はこれは東京博善さんの夕刻葬のことなんです。最初に聞いたとき、非常にいい取り組みなので協力したいと思ったのですが、より私たちらしい名称を付けたいと思い、夕方から告別式を行う点を強調して“夕告葬”とご案内させていただいているんです」

 では、「夕刻葬」として普及に努めている側は、このようなアレンジをどう考えているのか。東京博善の木場雅仁取締役は言う。

 「私たちとしては、葬儀社さまと協力しながら、夕方からの葬儀を普及していくことが何よりも重要だと考えております。これから多死社会を迎える中、火葬場としては、ご遺族に新しいお別れの形をご提案し、火葬までの待ち時間を少しでも減らすことも大切な役割だと考えています。そのため、葬儀社の皆さまがご案内しやすい形でご紹介いただくことに、全く問題はありません」

 まずはこの「新しい文化」を広めることが重要なので、呼び方など小さな問題だというのだ。このように大手斎場と大手葬儀社が手を取り合って普及に力を入れるのは、これが業界の課題解決につながると考えているからだ。

 夕刻葬が広まることでまず期待できるのが、「火葬集中の緩和」だ。

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