2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

延長コードは隠さなくていい 町工場が生んだ「見せる」という発想(2/4 ページ)

新たな「快適」や「便利」を届けたい、消費者と直接つながりたい…。私たちが何げなく手にする製品には、作り手のさまざまな思いと、それを形に変えた確かな技術が込められている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
産経新聞

「一歩先の何か」

 東大阪市が企業とデザイナーの協業を軸に、地域ブランドの創出を目指すプロジェクト「東大阪ファクトリーズ」に参加。そこで出会ったのが、MUJIをはじめ国内外の企業と協業するプロダクトデザイナーの鈴木元(げん)さんだった。

 「ここに来て、うちが作れるものを見てもらったんです。電線では一般の消費者に届かないけれど、電線とかけ離れたものを作るのもおかしい。『一歩先の何か』を話し合い、延長コードになりました」

 豊一さんの息子で専務の康行さん(42)は振り返る。大変だったのはそこから。コードはお手のものだが、コンセントに差し込む「タップ」の部分と、プラグを差し込む「タップ」の部分には全くノウハウがなかった。

 「その部分には法律で作った会社名を入れないといけない。製品の『顔』の部分に、他社の名前が入るのはつらいなと…」

 一念発起して3年末、溶解した樹脂を高圧で金型に注入して製品を形作る「射出成型機」を約3000万円をかけ導入。本格的に自社製造を開始した。

 目標は、従来の「隠す」ではなく「見せる」延長コードという逆転の発想。だが、そのためのデザインは「シンプルで美しい分、ごまかしがきかず作りにくいんです」(康行さん)。

 射出成型を成功させるには、注入する樹脂の量や温度、圧力などそれぞれ最適な条件を見つける必要がある。思うような艶消しの黒色で、傷がない製品を製造することができるようになるまでには、3年以上が必要だったという。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ページトップに戻る