上場企業の平均年収「1000万円」超えも、中堅・管理職層への恩恵は薄め 中核人材どう守る?:帝国データバンクが調査
人手不足などを背景に、上場企業でも賃上げによって人材を確保する動きが進んでいる。帝国データバンクが調査したところ、2025年度決算期(2025年4月〜2026年3月)の上場企業約3700社における平均年間給与は692.6万円と、過去最高を更新したことが分かった。
人手不足などを背景に、上場企業でも賃上げによって人材を確保する動きが進んでいる。帝国データバンクが調査したところ、2025年度決算期(2025年4月〜2026年3月)の上場企業約3700社における平均年間給与は692.6万円と、過去最高を更新したことが分かった。2024年度(671.1万円)から21.5万円、月換算で約1.8万円増加した。
「平均年収1000万円超え」も過去最多
2024〜2025年度の増減を比較すると、平均年間給与が前年度から増加した上場企業は76.8%だった。増加率で見ると「2.5%以上5%未満」が最も多く、全上場企業の25.2%を占めた。
厚生労働省が実施した調査(「2025年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」)に基づく、2025年の平均賃上げ率5.52%を上回る上場企業は952社だった。
平均給与別では「600万円台」の939社(構成比25.6%)が最も多かった。高収入の目安となる「1000万円以上」は235社(同6.4%)で過去最多となった。
平均年間給与が最も高い業界は、外内航海運を中心とした「海運業」(1120.1万円)で、全業界で唯一1000万円を超えた。以下「証券、商品先物取引業」(962.1万円)、「保険業」(936万円)、「鉱業」(911.7万円)と続く。なお前年度からの伸び率が最も高い産業は「ゴム製品(製造)」で、13.2%増の695.6万円だった。
帝国データバンクの調査では、2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げる企業は67.5%だった。また「初任給を引き上げる」と答えた企業の平均額は前年度比348円増の9462円と、引き上げ額も増加した。
若手の初任給の引き上げやベースアップの一方、40〜50代以上を対象とする「黒字リストラ」など、上場企業でもシニア・ミドル世代が総人件費の調整対象となるケースが頻発している。恩恵を受ける若手と、しわ寄せを受ける中堅社員や管理職といった構図も生まれている。
帝国データバンクは「平均給与額の見栄えや初任給の高さを競うフェーズから、賃上げの恩恵が薄れがちな中堅・管理職層も含めた評価・報酬制度の再設計の必要性が問われる局面に来ている」とコメントした。
調査は、2025年度決算期(2025年4月-2026年3月期)を迎えた上場企業のうち、有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある企業を対象に実施した。
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