ダイソーが「脱100円」路線なのに、なぜセリアは「100円」で高収益なのか 業界2トップが快進撃を続ける理由(3/3 ページ)
100円ショップ業界の2トップであるダイソーとセリア。それぞれの戦略をひもとく。
100円均一を死守しつつ、利益率が高いセリア
セリアは1980年代に創業し、2003年に「Seria 生活良品」の1号店を出店して、会社名をセリアに変更した。ダイソーのような大型店を出店したが、上手くいかず小型の店舗に注力するようになった。6月末時点で2155店舗を展開し、そのほとんどが直営店である。
商品数は2万8000で、毎月500以上の新商品を投入している。当初からおしゃれな雑貨店をアピールしており、2007年から「Color the days」をコンセプトに掲げ、白と黄緑の配色による店舗を展開していく。店舗の入口側に陳列する食器類などを中心に、他の100円ショップより品質やデザインに優れているという理由で支持されてきた。
ダイソーとの大きな違いは「100円均一」を死守している点だ。全品100円で、店内に300円・500円の商品は存在しない。100円の安心感で差別化を図っている。
100円死守でも利益率は好調だ。規模の経済で劣る3位以下の100円ショップは原材料費や人件費の高騰でギリギリの状況にあり、営業利益率が3%を下回る競合が多い。対してセリアは8%台となっている(2025年度実績)。高収益体質について、同社は売れない商品を見極めるデータ分析が強みであると主張している。
だが、それは他社も実施していることだ。セリアの最大の特徴は、商品のほとんどが雑貨な点にある。売り上げの98.8%を占め、利益率の低いその他の食品などの比率はかなり低い。前述の通り商品の入れ替えが早く、売れない商品もすぐに排除している。
品ぞろえを重視するダイソーに対し、小型店のセリアはついで買いを狙うセレクトショップのような位置付けだ。目的買いだけでなく衝動買いをする客が多いため、商品の入れ替えが早くても集客への悪影響は小さい。筆者の所感だが、最近では温水に対応しないボトルなど、商品の質を落とすような施策も散見される。こうした策もコスト削減に貢献しているとみられる。
現状では小売の中でも高収益体質を維持しており、セリアが他社のように高額商品を増やす可能性は低い。大型店から小型店まで対応するダイソーと小型店で100円を死守するセリア。3位以下が苦戦する業界で、2トップによる快進撃は進みそうだ。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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