今年は「エコ」がテーマ 東京国際映画祭ラインアップ発表会見:+D Style News
今年で21回目となる東京国際映画祭の上映ラインアップ発表会見が行われ、ゲストとして渡部篤郎監督、高岡早紀さん、前田哲監督が登場した。
10月18日から六本木ヒルズで開催される「第21回東京国際映画祭」の上映ラインアップ発表会見が、9月18日に行われた。会場にはゲストとして、コンペティション部門ノミネート作品「コトバのない冬」の渡部篤郎監督と高岡早紀さん、同じくノミネート作品である「ブタがいた教室」の前田哲監督が登場した。
「Action! for Earth」というスローガンが掲げられた今年の東京国際映画祭。自然や環境問題をテーマとした部門の新設や、レッドカーペットならぬグリーンカーペットの実施など、エコをテーマとして押し出した映画祭になるようだ。今年から新たにチェアマンを務める依田巽氏(ギャガ・コミュニケーションズ会長)は、「就任して1年目、今年はホップ、ステップ、ジャンプの“ホップ”の年。リンケージ、高品質、チャンス、イノベイティブなどの理念を持って、特色ある映画祭にしたい」と抱負を述べた。


今回の作品で長編映画監督としてデビューした渡部監督。“台本があるのかアドリブなのか”と感じさせるような演出になっているらしいが、渡部さんは「アドリブに見えるのはキャストの力」とコメント。出演した高岡さんは「台本はあったんですけど、そこから役者がどんどん広げていきました」と語った

前田監督の「ブタがいた教室」は、“食べることを前提に子ブタを飼う”という小学校の実践教育の様子を描いた、実話を基にした映画。子役たちとゲーム感覚でディベートをしたり、台本の展開を撮影当日に伝えるなど「ある意味、フィクションとドキュメンタリーの境界を越えようと挑戦した映画」(前田監督)になっているという作品のラインアップだが、コンペティション部門には「コトバのない冬」「ブタがいた教室」をはじめ、イエジー・スコリモフスキー監督の「アンナと過ごした4日間」や、フォン・シャオニン監督の「超強台風」など、バラエティーにとんだ15作品が登場。特別招待作品には三国志をテーマにしたジョン・ウー監督「レッドクリフ Part I」や、CGアニメ「ウォーリー」、歌手のマドンナさんが監督した「ワンダーラスト」、3Dメガネで鑑賞する「センター・オブ・ジ・アース」といった話題作が名を連ねる。
「自然と人間との共生」というメッセージを持った作品を集めた「natural TIFF Supported by TOYOTA」部門では、スペイン発の“公害反対のんびりコメディー”という「フェデリコ親父とサクラの木」や、イタリアの「ビューティフル・カントリー」、さらに「ゴジラ対へドラ」や「阿弥陀堂だより」などもラインアップされた。また、映画祭主要部門の新作から、自然や環境をテーマにした優秀作を選出する「TOYOTA Earth Grand Prix」も新たに設けられている。
そのほかにも漫画家・手塚治虫さんの生誕80周年を記念して、同氏の実験的なアニメ作品などを上映する「animecs TIFF 2008」や、岩井俊二監督/黒沢清監督/滝田洋二郎監督のトークと作品上映をオールナイトで楽しめるスペシャル企画「映画人の視点 Director's Angle」など、さまざまな上映やイベントが開催される予定だ。
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