“作って楽しい”テーブルって?――ハーマンミラー「センス」:+D Style News
2008年のミラノサローネでの発表以来、“これまでにないタイプのユーザーが購入している”というテーブルシステム「センス」。工具を使わず簡単に、しかも“作る楽しさ”まで盛り込んだ粋なテーブルが日本に上陸した。
ハーマンミラージャパンは10月1日、工具を使わず組み立てられるテーブルシステム「センス(sense)」の受注を開始した。
差し込む、ひねるといったシンプルな作業で簡単に組み立てや解体ができるだけでなく、“組み立てる楽しさ”も感じさせる粋なギミックが盛り込まれたこの製品、オフィス向けテーブルということもあって、1セットのみ購入する場合はちょっと割高だが(テーブルとスクリーンのセットで20万8110円)、シンプルでモダンなデザインは自宅用としても魅力的だ。
約2年の開発期間を経て2008年4月にミラノサローネで発表され、イギリスではすでに販売されている。ハーマンミラージャパンの松崎勉社長の言葉によれば「(イギリスでは)これまでとはちょっと違ったタイプのお客様が購入している」という。トラディショナルな大企業ではなく、IT企業やコールセンター、中小企業のワークテーブルとして人気があるようで、松崎社長は「すべてのお客様にお勧めするというものではない」と断りつつも、「これまでの製品の中で初めて“使ってみて楽しい”と感じた」と、独特の魅力をアピールした。
実際に、作ってもらいました
「作る楽しさってオフィステーブルに必要なの?」と思われる読者もいるだろう。しかし、「センス」の遊び心を感じさせる仕組みは、そのどれもが機能的な側面を持っている。
主な部品は、台座、脚、そして台座を支える骨組みだ。そこに視界を遮るスクリーンや棚などのパーツを好みに合わせてチョイスできる。骨組みと脚は、差し込んで回すという2アクションでドッキング。この時、昔懐かしいカプセル自動販売機のような“ガチガチ音”が鳴る。音が止まればしっかりと固定されたことが分かるし、組み立ての楽しさを演出するちょっとしたポイントでもある。
台座の装着には“仮留め→位置の調節→固定”が可能な、独創的なシステムが採用された。まず骨組みに台座を押し込んでカチッとセットするのだが、この時点ではまだ“仮留め”の状態。台座は水に浮かんでいるように振る舞い、左右前後に位置を調節できる。大規模なオフィスできれいに机のラインをそろえる――といったシーンで大いにメリットを発揮しそうだ。
位置が決まったら、後は骨組みのダイヤルをひねって台座を固定。しっかりロック側にひねると、ダイヤルに描かれた錠前のマークが黒から白に変わり、ロックを解いた状態では錠前の横にある三角のマークが白く変わる。例えば解体の時に「ん?まだどこか固定されてるな……」となったら、このマークを目で確認すればいいわけだ。
台座と同じく仮留め機構のあるスクリーンをはじめ、オプション類の取り付けなども、ニヤリとさせられる仕組みが盛り込まれている。全部で5つの特許がシンプルなボディーに詰まっており、デザイナーであるダニエル・コープ氏の「単純性は複雑性を凌ぐ」というポリシーが詰まったテーブルと言えるだろう。
なお、ハーマンミラージャパンのホームページには「センス」専用の特設サイトが用意されている。販売ディーラーなどの案内もあるので、購入したい方はそちらを参考にしてほしい。
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