クロックこそ、吟味して選びたい:+D Style 時計探訪
時を刻むだけでなく、インテリアとして持ち主の個性が表れるクロック。クロック単体のデザインだけでなく、部屋との調和を考えながら、最高のものを選びたい。
突然ですが、問題。一般的な4人家族の家にいったい何個の時計があるか分かりますか?
A:5個〜
B:10個〜
C:20個〜
正解は「C」の20個以上。
「えっ! まさか、そんな多くはない」と思うかもしれないが、実はテレビのレコーダーやエアコンなど、ほとんどの家電にはタイマー機能をもった時計が内蔵されている。携帯電話しかり、PCしかり。屋外はもちろん家の中でも、わざわざ時計を見なくても、時刻はすぐに分かるような時代といえる。朝は時刻確認のためにだけテレビをつけている人も、多いはずだ。
そんな時代だからこそ、時刻を知るという目的だけにとどまらずインテリアとして、またお気に入りの小物としても、最近にわかに注目が高まっているクロックに今回はスポットを当ててみよう。
家の中にあるクロックを見てみると、例えばウォールクロック(壁掛け時計)の場合に多いのが、引越し祝いや新築祝いなどのいわゆる贈答品としてもらった時計を飾っているケース。子供のいる家庭には、音楽とともに人形が出てくる「からくり時計タイプ」(筆者も工務店から頂戴しました)とかが多い。でも、クロックを選ぶ時に注意したいのは“空間に調和しているか”だ。
やはり、建築スタイル、部屋のインテリアにマッチしているかいないかで、印象はガラッと変わってしまうもの。例えばコンクリート打ちっぱなしのモダンな建築に伝統工芸の鳩時計や、純和風様式にミッドセンチュリーモダンでは明らかにミスマッチ。毎日目にするものだけに、壁にセットしてしまった後で「やっぱり似合わないなー」と後悔するのを避けるためにも、ここはひとつじっくり慎重にセレクトしたい。
シンプル系の部屋に置きたいクロック「モンディーン」
スカッとした空間や北欧モダンな空間に合わせやすい、シンプルデザインで人気の「モンディーン」。視認性の高いダイヤルとシンプルな美しいデザインは60年以上も前に誕生したもの。“変わらないことが、人々を魅了し続ける”を、まさに証明するようなスタイル。バリエーションには、ウォールクロックをはじめ、デスククロック、腕時計などもラインアップされている。
静かに時を刻み、家族の歴史を見守ってくれるクロック
クロックは、毎朝お世話になる目覚まし時計から、リビングのインテリアとして飾るテーブルクロック、さらにはパーソナルな空間(書斎やコレクションルーム)で鑑賞に浸るタイプまで、バラエティーに富んでいる。そして、腕時計に比べてサイズが大きい分だけ存在感もあり、また持ち主の個性も自然と伝わってくる。自分のイメージした部屋のテイストに合わせ、ぴったりのクロックをチョイスしよう
- モダンテイスト――「SWIZA」製デスククロック
モノトーンを基調にしたようなモダン空間にオススメしたいクロックが、スイス製の「SWIZA」。1904年に創設された同社は、8日巻クロックやメカ式アラームクロックなど、卓上クロックのスペシャリストとして世界中で高い人気を獲得。また、デザイン・開発・生産などをすべて自社で行うことのできる、現在では希少なクロックメーカーでもある。写真のモデルは、「アゴラ スポーツ」。価格は9万4500円。
- アンティークテイスト――「MATTHEW NORMAN」製キャリッジクロック。
18世紀後半、当時の人々が旅行用に携帯したことからネーミングされたキャリッジクロック。21世紀の現在でもその製造方法は変わらず、磨き上げられた真鍮や鮮やかにカットされたガラスなど高級素材を使い、熟練したマイスターが1点ずつハンドメイドで作り上げる。またケースの両サイドと裏側からは、見事な装飾が施されたムーブメントが観賞できる。
「こんな美しいクロックを持参して旅に出たのは、どんな人々だったのだろう」と想像するだけでも優雅な気分に浸れる。写真のモデルは「コーニッシュ」。価格は15万7500円。
- 書斎/コレクションルーム――「HERMLE」製天文時計
太陽、地球、月の位置関係が観賞できるテルリウム(三球儀)搭載のクロック。地球は1年かけて太陽の周りを公転し、月は29.5日をかけて地球の周囲をまわる壮大なメカニズムをもつ。書斎にいながらまさに小宇宙が堪能できる究極のクロック。写真のモデル名は「テルリウム」。価格は126万円。
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