“おいしい”ケータイ、「N-03A」ができたわけ
NTTドコモの新端末「N-03A」の説明会が、コラボレーションしたスイーツブランド「PIERRE HERME PARIS」青山店で開催された。スイーツケータイの誕生秘話や、世界観へのこだわりが明かされた。
11月12日、NECはNTTドコモの新端末「N-03A」の商品説明会を開催した。
「N-03A」は、フランスの高級スイーツブランド「PIERRE HERME PARIS」(以下、ピエール エルメ)の世界観を外観や内蔵グラフィックに取り入れた製品。本体カラーは「アプリコットオレンジ」「ショコラブラウン」「マカロンピンク」「バニラホワイト」「カシスブルー」の5色で、いずれの色もピエール エルメのスイーツがベースになっている。
商品説明会は、ピエール エルメ青山店の2階にあるバー・ショコラで、ソファーに座り、お茶やスイーツを食べながら、とても和やかなムードの中行われた。
ピエール エルメ日本支社代表のリシャール・ルデュ氏がブランドを紹介した上で、今回NECとのコラボレーションが実現した背景に「コンセプト」が一致したことをあげた。「ケーキのやわらかさがケータイに加わったことで、お客様が毎日使いたくなるものになる」と同氏は言う。
N-03Aデザインを担当したNEC モバイルターミナル事業部チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏は、「これまでケータイ=デジタル機器というイメージでしたが、今や生活の中で頻繁に使っているアイテムなので、ケータイを使うシーンを見直したいと考えました」と開発の経緯を説明。そして日常の喜怒哀楽にお菓子があることに気付いたという。
スイーツブランドの中でもピエール エルメは別格と佐藤氏。「自分の中で高級店は内装がどこも一緒というイメージを持っていましたが、(ピエール エルメの青山店は)1階と2階のデザインも違いますし、海外の店舗と日本の店舗の内装もまったく異なる」と店舗内装について触れ、そのクリエーティブ性を絶賛した。そして「(ピエール エルメのスイーツを)食べてみて、単においしいとか、甘いとかで終わらないドラマを感じました。人々の生活の中にもドラマがありますし、生活に密着しているケータイとピエール エルメのスイーツの世界観が同じでした」と佐藤氏は語った。
さらに「ピエール エルメの持つ世界観を大事にしたかった」と佐藤氏。端末の表面の手触りを、モチーフとしたスイーツによってそれぞれ変えるなどの工夫も施したそうだ。また佐藤氏は、スイーツの香りを載せることは考えなかったのかという記者の質問に対して「そういったアイデアもでましたが、日々変化するものですし、香りを付けるとピエール エルメのこだわりをすべて再現できないと思いました。デザインとカラーでピエール エルメを表現することにしました」と答えた。
NEC モバイルターミナル事業部商品企画部の馬場治氏は、ピエール エルメを選んだ理由について次のように述べている。「ケータイは衣食住に常にかかわってくるものです。これまでにNECは、Francfranc、Samantha Thavasa、amadanaなどとコラボレーションをして、衣と住のプロダクトを生み出してきました。食というのは非常に身近なものですし、見た目の華やかさなど、ケータイにも生かせるのではないかと思いました。コラボレーションするなら、味だけではなく、美しさ、形、伝統を重んじながら斬新さも感じさせ、マカロンブームの立役者でもあるピエール エルメしかありえないなと」(馬場氏)。
肝心の端末の最大の特長は配色。「キーのグラデーションや配色などは、われわれメーカーだけでは決して実現できなかった」と馬場氏は言う。また電話機能、メール機能を重視し、駅のホームなど騒がしい場所でも相手の声がはっきり聞こえるハイパークリアボイス機能や、メールを多用する20代〜30代の女性ユーザーのために、「天才バカボン」や「チェブラーシカ」といったデコメ絵文字を1200種類用意する。ピエール エルメをモチーフにしたオリジナルの待ち受け画面が、ケータイを開くたびに変化したり、着信の際に表示されるアニメーションも、クリスマスやバレンタインなど季節によって変えられるといった、遊び心もふんだんに盛り込まれている。
この遊び心にはルデュ氏も「フランス人もアニメなど日本の文化が大好きなのでうれしい」と感心。最後に馬場氏は「(ピエール エルメから)とても勉強させてもらいました。N-03Aはお互いのいいところを出せましたし。とても“おいしい仕事”でした」と話し、端末の仕上がりに自信をのぞかせていた。
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