4000万画素の超高解像度写真を楽しめる「PENTAX 645D」登場
ペンタックスが開発表明を行っていた中判デジタル一眼レフカメラを「PENTAX 645D」として正式発表。4000万画素の大型センサーを搭載し、超高解像度の撮影を楽しめる。
ペンタックスは3月10日、レンズ交換式中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645D」を5月中旬より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は80万円台半ば。同時に対応する単焦点レンズ「smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW」も販売開始する。こちらも価格はオープンで、実売想定価格は10万円前後。
風景写真愛好家が、アウトドアでも気兼ねなく大型イメージセンサーによる超高解像度写真を楽しめるモデルとして開発された製品。同社は「PENTAX 645 Digital」(仮称)の名称で既に開発表明を行っており、2009年のフォトイメージングエキスポなどに参考展示していた。
撮像素子には35ミリ判の約1.7倍の大きさとなる44×33ミリの大型CCDを搭載。有効画素数は約4000万画素で、広いダイナミックレンジによる階調再現や質感表現が特徴という。最大画像サイズは7264×5440ピクセル。解像感を高めるため、あえてローパスフィルターレスのCCDユニットとすることでレンズと撮像素子の解像力を引き出す構造としている。レンズマウントはペンタックス645AF2 バヨネットマウントで、適合レンズは645AF2 マウントレンズ、645AF マウントレンズ、645A マウントレンズ。
画像処理エンジンはK-7などにも搭載されている「PRIME II」だが、アルゴリズムを中判向けに最適化した。また、A/Dコンバータには最大1万6384階調の変換が行える14bit A/Dコンバータを採用している。AFセンサーは新開発の11点ワイドAFセンサー「SAFOX IX+」(中央9点クロス)で、測光には77分割測光素子を採用した。
ファインダーにはガラス製台形プリズムを採用しており、約98%の視野率と小型化を両立。フォーカシングスクリーンには明るさとピントのあわせやすさを兼ね備えた「ナチュラルブライト」が用いられている。背面液晶は3型(約92万画素)で、視野角は上下左右約170度。ARコートも施されている。
ボディ外装には軽量かつ剛性の高いマグネシウム合金、シャーシには熱の影響を受けにくいアルミダイキャストを使用。上面と背面液晶のカバーには硬質保護ガラスを採用した。アウトドアでの利用を考慮し、70カ所にシーリングを施した防滴/防じん構造となっているほか、マイナス10度での動作に耐える耐低温性能も有している。
そのほか、3枚の撮影画像をカメラ内で合成してダイナミックレンジを拡張するHDR機能や、白トビ/黒ツブレを補正するダイナミックレンジ補正、電子水準器機能、D FA645/FA645レンズの歪曲(わいきょく)収差および倍率色収差自動補正機能などを備える。
記録メディアはSD/SDHCメモリーカード。スロットが2基設けられており、記録形式に応じてカードを振り分けるほか、一方をバックアップ用とするなど用途に応じた使い分けが行える。サイズは約156(幅)×117(高さ)×119(奥行き)ミリ、約1400グラム(本体のみ)。
同時発表された「smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDMAW」は、PENTAX 645Dに対応する最新の光学設計によって開発された単焦点レンズで、PENTAX 645D装着時の焦点距離は35ミリ換算43.5ミリ。マウントはペンタックス645AF2 マウント。
同社中判レンズとしては始めて円形絞りを採用したほか、7カ所のシーリングによって防滴/防じん仕様となっている。AFでのピント合焦後、マニュアルでのピント合わせが切り替え操作なしでできる「Quick-shift Focus System」も採用されているほか、PLフィルターをフード装着の状態でも操作できるPLフィルター窓なども備えている。
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