「高級コンデジ」の現在地を確認する(後編):レビュー(3/3 ページ)
「高級コンパクト」と呼ばれる中でも利便性の高い構成となる「PowerShotG 12」「COOLPIX P7000」「GXR+S10」の3機種について、画質を比較する。で、ミラーレスか高級コンパクトはどっちを選ぶべきなのか?
動画撮影機能をチェック
最近のコンパクトデジカメは動画撮影機能を重視しているものも多い。それに対して今回の3機種は、動画撮影ボタンはなく、モードダイヤルから動画モードを選択し、シャッターボタンで撮影を開始する方式。GXR+S10だけは、シーンモードにしてから動画モードを選択する。
動画撮影機能としては、G12とP7000は1280×720ピクセルのハイビジョン撮影機能をサポート。フレームレートはいずれも24fps。GXR+S10は640×480ピクセルのSD解像度のみで、フレームレートは30fpsなので、比較すると動画撮影機能は弱いといえる。音声はG12とP7000がステレオ、GXR+S10はモノラルだけだ。
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上からG12、P7000、GXR+S10の動画。G12とGXR+S10はズームはデジタルズーム、P7000は光学ズームが利用できる。G12とP7000は連続撮影時間29分59秒の制限があり(GXRは最大90分)、全モデルで1ファイル4GBの制限がある。G12にはジオラマ、スティッチカラーといった独特な撮影機能もあって面白い動画を撮れる。
コンパクトなレンズ交換式か、高級コンパクトか
見てきたように、「PowerShotG 12」「COOLPIX P7000」「GXR+S10」の高級コンパクトデジカメ3機種は、コンパクトでありながら高度な撮影機能と高い描写能力を備えており、デジタル一眼レフのサブカメラ、あるいはレンズ交換まではいらないけど高度な撮影はしたいというユーザーに適している。
使ってみて、全体的なバランスがいいのはP7000だと感じた。やや操作性が特殊にも感じた部分はあるものの機能も豊富だし、動作スピードもキビキビとしている。G12も、機能はP7000と同等で操作性も分かりやすいが、ややレスポンスに不満を感じた。
GXR+S10に関しては、広角というポイントに加え、カメラユニットを交換することで、さまざまなレンズと撮像素子で遊べるという拡張性が他にはないポイントだ。コンパクトデジカメとして利用しつつ、さらに高画質を狙いたければ、「GR LENS A12 28mm F2.5」(レビュー)などカメラユニットを追加するだけで簡単にデジタル一眼レフ並みの画質が得られる。
いわゆるミラーレスと呼ばれる小型のレンズ交換式カメラは、最近の「簡単、軽量、コンパクト」というトレンドを抑えて販売を伸ばしているが、レンズ交換をしないのであれば、機能としては高級コンパクトデジカメも決して引けを取らない。カメラをもっと楽しみたい、写真撮影をもっと工夫したい、という気持ちがあれば、まずはこれらの高級コンパクトで使い方を学んでもいいだろう。一度使ってみれば、さらにそれ以上のカメラシステムが必要なのか、コンパクトタイプで十分なのかがよく分かるはずだ。
その意味では、GXRはユニット追加で一眼画質が手に入るのは便利といえるし、G12もP7000も、インタフェースにはそれぞれメーカーのデジタル一眼レフへのステップアップを想定したとおぼしき工夫がある。デジタル一眼を購入した後にも、そのままサブカメラとしても有効に活用できるだろう。
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