ローパスフィルターレスのレンズ交換式「FUJIFILM X-Pro1」 詳報:2012 International CES(2/2 ページ)
富士フイルムが登場を予告していたレンズ交換式カメラ「FUJIFILM X-Pro1」。ローパスフィルタを省いたAPS-Cサイズセンサーに「Xマウント」、第2世代のハイブリッドビューファインダー、新開発のレンズ群と見所の多い製品だ。
ボディの大きな特徴であり、「最も苦労した点」(同社)が搭載された第2世代のハイブリッドビューファインダーだ。第1世代はX100に搭載されたが、X100は単焦点の固定レンズ。新たにレンズ交換式とした上、ズームレンズにも対応するため、新たにブライトフレームを2段階に拡大する機能を設けた。
例えば18ミリのレンズを装着すると、ブライトフレームはファインダー全体にあるが、35ミリに交換すると、ブライトフレームは小さくなってしまう。これを拡大表示することで、ファインダー全体にブライトフレームが表示されるようにした。2段階しかないため、60ミリになると結局小さくなるが、そうした場合は「背面液晶を使ってもらう」ことになるそうだ。なお、ズームレンズの場合、拡大できる範囲まではシームレスにブライトフレームは拡大する。
松本氏は「デジタル一眼レフとミラーレス一眼」「高画質と低画質」「伝統的デザインとスタイリッシュ」とカメラを分類していくと、プロ向けのデジタル一眼は高画質で伝統的デザイン、ミラーレスは低画質で伝統的なものからスタイリッシュなものまで、と分類されるものの、“高画質でスタイリッシュ”というセグメントの製品が存在せず、ここに当てはまるカメラがX-Pro1だと話す。
松本氏は1700ドルという価格帯に設定したことで、低価格ミラーレスカメラとは一線を画し、フルサイズのデジタル一眼レフに迫るカメラとしてアピールしていきたい考え。「単なる機械ではなくカメラ好きに使って欲しい」と強調し、ミラーレスではなく「レンズ交換式カメラ」と表現する。X-Pro1に続いて、今後はさらにハイエンドのモデルから、より低価格なモデルといったバリエーションも拡大していく意向を示した。
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