「NEX-5N」第5回――タムロン「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC (Model B011)」を試す:長期試用リポート(1/2 ページ)
Eマウント用にもサードパーティ製レンズが登場してきた。第一弾として登場したタムロン「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC (Model B011)」を試用した。
NEX(Eマウント)の一番の欠点はレンズのラインアップにあるわけで(何本かの出荷が遅れたことについては、タイの洪水で工場が被害を受けたという不運も考慮しなければならないのだけれど)、ファンとしてはかなり残念。そんなときはサードパーティーの出番だ、ってんで名乗りを上げたのがタムロンとシグマである。
NEX-5Nと「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC (Model B011)」。レンズフードは外しているが、実際にはこれにフードが加わる。NEXに装着してもデザイン的な違和感がないのはありがたい
一足先に登場したのがタムロンの「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC (Model B011)」。この1本でたいていの撮影がOKという高倍率ズームレンズで、NEX-5N装着時には27〜300ミリ相当になる。「レンズ交換式カメラの標準ズームは3〜5倍程度でしょう? それなら高倍率なコンデジの方が便利じゃないか」と言う人がいらっしゃるが、そうした人へお勧めしたい製品でもある。
1本でこのくらい楽しめる。
F3.5-6.3と明るさもそこそこだし、手ブレ補正も内蔵している。NEX-5Nには「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」の2本をセットしたダブルズームキットも用意されるが販売開始はまだ先(5月予定)だし、なにより1本で広範囲の焦点距離をカバーできると持ち運びも楽だし、レンズ交換の手間も不要となる。なんとまあ、ありがたいレンズなのである。
では撮ってみる。
広角端での歪曲収差はちょっと大きいが、NEX-5Nは本体設定から各種収差の補正が可能で、それをオンにすれば問題ない。RAWで撮る人は収差を補正してくれるソフトがないと気になるかもしれない。標準ズームに比べると望遠側が圧倒的に長いので、望遠系をメインにあれこれと撮ってみた。
チェックしたのは望遠側のAF。コントラスト検出AFはどうしても望遠側のAF速度に難が出やすいからだ。もちろんデジタル一眼レフの位相差検出AFに比べると迷いもあるし、同じコントラスト検出AFでも最新のマイクロフォーサーズ機に比べると少し遅いが、実用にはなるレベル。瞬時にピントを合わせたいとか動きが速い被写体を狙いたいというのでなければ十分だろう。
うーん、やっぱり、200ミリ(300ミリ相当)まであると撮影の幅がぐんと広がって楽しい。本格的に望遠系を使うなら外付けEVFが欲しいが、このようなカジュアルに望遠を楽しむならNEX-5NだけでもOK。望遠端までいかなくても、標準ズームではちょっと足りない中望遠域が使えてありがたいことも多い。
ISO6400以上が必要な暗いシーンだとピントが合いづらくなるが、それはこのレンズのせいじゃない。
とまあ、とっても便利なレンズであるが、考えてみたら、純正レンズとスペックがかぶってる。ソニー純正のEレンズにも18-200mm/F3.5-6.3の手ブレ補正付きレンズ「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」(SEL18200)があるのだ。どっちがいいのだろう。
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