「Lightroom 4」第2回――「動画編集」はどこまでできるか:長期試用リポート
Lightroom 4では新たに動画の「編集」がサポートされた。この新機能で何がどこまでできるのか、そしてそのメリットを考える。
今回は強化されたブラシ機能について触れるつもりだったが、予定を変更して動画編集について。
「Adobe Photoshop Lightroom 4」では新たにビデオ編集がサポートされた。前バージョンでも動画のサポートは行われていたが、ソフト上での再生や編集は行えず、基本的にはライブラリからの管理程度が行える程度だった。また、サポートされる動画形式もAVI、MOV、MP4に限られており、AVCHDにも対応していなかった。
LR4ではPremiereのような動画編集ソフトには及ばないものの、AVCHDを含む、デジタルカメラで撮影された動画ファイルの編集ができる。対応する動画ファイルの形式はAVI、MP4、MOV、AVCHDの4種類で、拡張子としては.MOV/.M4V/.MP4/.MPE/.MPEG/.MPG4/.MPG/.AVI/.MTS/.3GP/.3GPP/.M2T/.M2TSの読み込みが行える。
編集といってもあくまでも簡易編集にとどまっており、行えるのは開始/終了位置を変更するトリミング、静止画キャプチャー、色調補正に留まる。複数動画の結合やなどは行えず、かなり簡易的なものとなっている。正直、トリミングとキャプチャー程度ならばLR4でする必要もないのだが、色調補正はそれなりに活用できる。
色調補正は「現像」モジュールではなく、ライブラリ右の「クイック現像」から行うようになっており、そこからホワイトバランス、露光量、コントラスト、白レベル、黒レベル、彩度などを調整できる。LRの特徴でもある強力なノイズ低減が動画編集に適用できないのは残念だが、露出アンダー/オーバーの補正ならばある程度対応できる。「ポップ」「クロスプロセス」「冷調」「白黒」といった補正プリセットも用意されており、印象を大きく変えたいときにはこちらを使うとよいだろう。
書き出しについてはオリジナル(元形式)、H.264(拡張子.MP4のファイル生成)、DPXの3形式が選択でき、画質(画面サイズおよびビットレート)も4段階に変更できる。汎用性が高いと思われるH.264の画質については、ソースが1080p映像の場合、最高(1920×1080 30fps 44Mbps)、高(1920×1080 30fps 22Mbps)、中(1280×720 30fps 8Mbps)、低(480×270 30fps 1Mbps)の4段階から選択することとなる。
LR4の主要な動画編集機能は上記ぐらいなもので、「編集」というにはライトなものにとどまっている。複数ファイルの結合ぐらいはできてほしいとも感じるが、その領域はPremiereあるいはPremiere Elementsでどうぞというスタンスなのだろう。数十秒の日常を写した動画にちょっとだけ編集&色調補正して、Facebookで公開(ライブラリから左カラムの「公開サービス」にドラッグ&ドロップするだけだし)といった使い方には適しているように思える。
デジカメにおける動画撮影機能が一般化して久しいが、いまだ動画ファイルの保存形式についてはAVCHDやMP4、MOV、AVIなどさまざまな形式が混在している。特に悩ましいのがAVCHDだが、LR4ではこれらを一括して管理できるので「デジカメで撮ったモノは、静止画も動画もとりあえずLRで管理」という方法が可能となり、心理的なストレスを軽減してくれる。「動画編集」という意味ではLR4の持つ機能はあくまでも簡易的なものに過ぎないが、それでも散らかりがちなデジカメの静止画/動画の一括管理ソフトとしてだけでも、十分に価値はあるように感じる。
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