マルチデバイス時代の写真管理――「Adobe Revel」説明会:「あの写真どこだっけ?」にさようなら
アドビシステムズが「Adobe Photoshop Touch」や「Adobe Revel」の製品説明会を実施。マルチデバイスやクラウドなど、市場の変化に対応した写真管理ソリューションを披露した。
「Photoshopは常に市場の変化に対応してきた」
アドビシステムズは8月29日、同社が提供するタブレット版Photoshop「Adobe Photoshop Touch」や、クラウドベースのMac/iOS向け写真編集・管理サービス「Adobe Revel」にかんする製品説明会を実施した。
プロフェッショナル向け画像編集ソフトのスタンダードともいえるPhotoshopシリーズは、1990年2月に登場した初代から最新の「Photoshop CS6」まで、実に13のバージョンを数える。同社マーケティング本部の栃谷宗央氏は、Photoshopの変遷をスライドで示しながら、バージョン3で導入したレイヤー機能やバージョン5.5の“Web用に保存”機能、バージョン7のファイルブラウザ、CS3の動画対応などを取り上げて、「インターネットやデジタルカメラの普及にあわせて、これまでPhotoshopはさまざまな市場の変化に対応してきた」と振り返る。
そして現在、同社が注力しているのが「Adobe Creative Cloud」だ。Creative Cloudで提供される主要ソフトウェアは、メンバーシップ式のサービスとして常に最新バージョンを利用できるのが特徴(例えば、昨日アップデートされたIllustratorの新機能も即座に利用できる)。また、タブレット端末向けにリリースされているアプリ群(Touch App)が用意されているのもポイントだ。栃谷氏はTouch Appの最新フォトソリューションとして、Photoshopのコア機能をタブレット向けに提供する「Photoshop Touch」を紹介し、写真編集をiPadで行うデモを交えながら、「ユーザーインタフェースがPhotoshopと共通化されているので、Photoshopを使ってる人なら手軽に作業ができる」とアピールした。
続いて栃谷氏は、クラウドベースの写真管理サービス「Adobe Revel」を紹介した。Adobe Revelは、リリース当初「Adobe Carousel」と呼ばれていたもので、Mac OS/iOSのフォトライブラリをクラウド(Adobe Revel)上にエクスポートして共有する仕組み。ライブラリに加えた編集結果は、アカウントにひも付けられたすべてのデバイスで自動更新されるため、デバイスごとに手作業で同期するはんざつさがなく、常に最新のライブラリを参照できる。
また、Lightroomで使われている写真処理技術を搭載しており、簡易的な写真編集も行える。8月23日に行われたアップデートでは、第3世代iPadのRetinaディスプレイに対応したほか、編集機能のパフォーマンス改善や、AdobeRevel.comでのプライベートアルバム共有機能などが追加された。なお、アップルが提供するiCloudのフォトストリーム(写真同期)とは異なり、Adobe Revelではローカルにデータを保持しないため、インターネットに接続していない環境では写真を閲覧することはできない(接続時にキャッシュしたサムネイルは表示される)。また、対応ファイル形式はJPEGのみ。
栃谷氏は「現在は写真撮影機能を持つさまざまなデバイスがあふれていて、ユーザーはそれぞれのデバイスに写真を保存してはいるが、きちんと整理・管理している人はほとんどいない」と指摘。続けて、iPadで撮影した写真がAdobe Revelを通じて即座にほかのMacやiPhoneで閲覧できる様子をデモで示し、クラウドによる写真管理のメリットを強調した。Adobe Revelは月額500円(または年額5200円)のサブスクリプション制で、ストレージ容量は無制限。なお、最初の30日間は無償で利用できる。
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