「EOS M」ファーストインプレッション
キヤノン「EOS M」が販売開始された。まずは短時間ながら利用してみたファーストインプレッションをお伝えするとともに、“撮って出し”のスナップをごらん頂きたい。
キヤノンのレンズ交換式ミラーレスカメラ「EOS M」が9月27日、販売開始された。詳細な製品レビューは別途お送りするとして、まずは短時間ながら利用してみたファーストインプレッションをお伝えするとともに、“撮って出し”のスナップをごらん頂きたい。なお、掲載した写真は、特に断り書きがないものは全自動モードである「シーンインテリジェントオート」で撮影している。
製品概要及び外観については既報記事を参照してもらうとして、まずは使用感から。EOS Mにはレンズとして標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」、パンケーキレンズ「EF-M22mm F2 STM」の2本が用意されており、「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」を組み合わせた状態でも、約497グラム(実測値)とペットボトル飲料なみの重量であり、携行性に不満は感じない。
両つりストラップ対応のボディ上面には、電源ボタンとシャッターボタン一体型の撮影モード切り替えスイッチのみとシンプル。モード切り替えスイッチから選択できる撮影モードは「静止画」「動画」、全自動静止画撮影モードの「シーンインテリジェントオート」の3つだけで、P/A/S/Mなどはカメラを静止画撮影モードとしてからタッチパネルを操作してして選択する。
撮影設定は画面タッチ(Qボタン)から行えるが、シーンインテリジェントオート撮影時に「Q」ボタンから呼び出せる撮影設定はAF方式(顔認識+追尾優先、ライブ多点、ライブ1点)、ドライブモード、タッチシャッターの有無など限られており、この撮影モードは、シャッターを切ることに利用者の注意を優先させるものであることが分かる。
搭載する撮像素子は中央部に位相差AF用センサーを搭載したAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素のCMOSセンサーで、AFについてはコントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF」を採用している。2つのAFについては位相差AFセンサーである程度のピントをあわせ、最終的な合焦にコントラストAFを利用する流れとなるが、シーンインテリジェントオートで試用した限り、ピントのおおざっぱな合わせから最終的な合焦までに若干のタイムラグを感じた。
もちろん、撮影時の設定や環境、組み合わせるレンズによって合焦速度は左右されるものであり、EOS MのAF速度が実用上問題になるという印象ではないが、ミラーレスカメラのAF速度向上著しい中、わずかながらの“間”を感じたことも事実である。小型軽量で操作レスポンスも良好、背面のタッチパネル液晶へ触れた際の反応も機敏だけに、気になってしまうところである。
なお、タッチパネル液晶の反応はかなり機敏で、画面内の任意点に触れることでピントを合わせるタッチフォーカスの利用もストレスなく行える。今回は夏を思わせる日差しが差す、晴天の屋外を中心に利用したが、液晶の輝度も高く、視野角も広いため、液晶は固定式ながらハイ/ロー撮影もある程度はこなせる印象を得た。
EFマウントアダプター「EF-EOS M」を使った、EF/EF-Sレンズ使用感も含めた詳細な製品レビューについては、追って掲載する。
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