富士フイルム「X100S」「X20」が目指す高画質の秘密、回折現象を低減する「点像復元」とは:2013 Internationa CES(2/2 ページ)
International CES 2013にて富士フイルムが新製品「FUJIFILM X100S」「FUJIFILM X20」の技術説明会を行い、新センサーによる効果や新搭載された回折現象を低減する「点像復元」についての詳細を語った。
デザインは変えずに操作性を向上
X20は光学ファインダーを改善し、ファインダー内に液晶を配置することで、光学ファインダーながら撮影情報やAFポイントの表示に対応。アイセンサーも備えることで、必要なときだけ動作するようにした。新たに「Q」(クイックメニュー)ボタンを設置し、撮影機能を素早く呼び出せるようにしたほか、メニュー画面をタブ表示にし、設定にアクセスしやすいようにしている。
X100Sでは、光学ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)を切り替えて使うハイブリッドビューファインダーを従来通り搭載。EVF側は236万画素と高精細になり、より使いやすく、見やすくなった。
X100Sにて新搭載したのが「デジタルスプリットイメージ」によるMF機能。これは、MF時にセンサーの位相差AF画素を画像表示に利用。ピントが合っていない場合、帯状の画像が左右にずれた状態で並び、MFを合わせると次第にこのズレが一致していく、という仕組み。従来の「ボケ」を利用したMFに比べてより正確なピント合わせが可能になるという。特にボケ量が多い近接撮影に有効だという。
同社ではXシリーズに対してインターネット調査を行い、ユーザーの声を集めた。当初想定していたユーザー層は、「カメラの撮影や操作がよく分かった人」だったが、X100では7割の人が「カメラや撮影方法がよく分からない人」だったという。女性比率も高く、購入理由として高品位なデザインで長く使えそう、といった声が多く、これを受けて、デザインは変更せず、ユーザーの要望に応じて操作性を改善する、という方針で開発した。
そのためデザインの変更点はわずかだが、操作性を改善するような変更を行った。デザインを変更しなかったことにより、ケースなどの既存のアクセサリーがそのまま使えるというメリットもある。
X100S、X20は、外観はほとんど変更がないものの、内部の進化を重視した製品で、さらなる高画質の追求で差別化を図っていきたい考えだ。
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