ニコンより3月に販売開始されるデジタル一眼レフ「D7100」は、既存「D7000」(2010年冬発売)の後継となる、DXフォーマット(APS-Cサイズセンサー搭載)のミドルクラス機だ。FXフォーマット(フルサイズセンサー搭載機)の「D600」が低価格で登場し、FXフォーマットの高級機がどのような方向性を打ち出すか注目されていたが、D7100はクロップ撮影やAF性能の強化といった、機動性を強く打ち出す方向性の製品となっている。
本体サイズは約135.5(幅)×106.5(高さ)×76(奥行き)ミリ、 約675グラム(本体のみ重量)。D7000に比べると背面液晶が3型から3.2型へとやや大型化しているものの、手にした感としてはほぼ変わらないように感じる(D7000は約132×105×77 約690グラム)。
撮影モードダイヤルや表示パネル、ペンタ部のデザインなど各部の意匠はD7000を踏襲するが、動画撮影ボタンがシャッターボタン横に測光モードボタンとならぶ形で配置されているほか、「i」ボタンの新設やフォーカスポイントロックレバーがマルチセレクターと一体化するなど、操作系はD600に近いものとなっている。
グリップは深めでホールド性は良好。今回は16-85 VRレンズキットに付属する「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」を装着したが、レンズ装着時の重量バランスもよい。ファインダー視野率は約100%(上下左右)で、倍率は0.94倍だ。
搭載するセンサーはDXフォーマット(APS-Cサイズ 23.5×15.6ミリ) 有効2410万画素のCMOSセンサーで、ローパスレス仕様。AFは51点の測距点(15点クロス、中央1点はF8対応)をもち、新たに「対DX1.3×クロップ」の撮影エリアが用意されており、利用することで記録画素数は低下するものの、装着レンズ表記数値の約2倍相当での撮影が可能となる。また、クロップ時には51点の測距点がほぼ撮影エリア全域をカバーするほか、連写速度も最大約7コマ/秒と高速になる(フル画素記録時の最高速度は約6コマ/秒)。
以下ではキットレンズのひとつ、「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」での実写サンプルを掲載する。詳細な製品レビューは追って掲載する。
関連記事
- ローパスレスに“対DX1.3×クロップ”、DXフォーマット最上位機「D7100」
ニコンがDXフォーマット最上位機「D7100」を発売する。視野率100%ファインダーなど定評のスペックは引き継ぎ、センサーは24メガのローパスレスとなり、「対DX1.3×クロップ」などDXの機動性を高める機能も新搭載した。 - レビュー:視野率100%ファインダーの中級一眼レフ――ニコン「D7000」
ニコン「D7000」は、1620画素のCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフだ。防じん防滴構造のボディや視野率100%のファインダー、39点測距のAF、フルHDの動画記録など写真愛好家を満足させるハイスペックを誇る。 - レビュー:小さくて取り回しに優れた快適フルサイズ一眼――ニコン「D600」
ニコン「D600」は、有効2426万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフだ。防じん防滴構造の頑丈なボディでありながら、同社フルサイズ機では最小・最軽量を実現している。 - CP+ 2013:人気のD600やD800の体験コーナーを多く設けたニコンブース
ニコンブースでは、ステップアップや買い換え需要に応えるべく様々な体験コーナーを用意した参加する展示を主に行っていた。 - レビュー:長く楽しめる2410万画素CMOSエントリーモデル――ニコン「D5200」
ニコンのエントリーモデル「D5200」が登場。好評なバリアングル液晶はそのままに、新型センサーと画像エンジンを積んで画質が向上。AF性能も強化され、さらに撮りやすくなった。 - D600かD7000か――ニコンに聞く「フルサイズ」(後編)
ニコン「D600」は「フルサイズが気になるけど手が出ない」人に向けた製品として企画され、大きなヒットとなった。ただ、D7000などAPS-C機にも軽さを初めとしたメリットはある。ニコンの考える、セグメントとは。 - 長期試用リポート:ニコン「D600」第3回――ISO25600まであげてみた
「D600」はフルサイズ機である。センサーサイズが大きい分だけ、高感度に強いと期待するわけだが、カタログスペックを見ると、実はAPS-CサイズのD7000と同じなのだ。そこで比較してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.