「RX100 III」「G7 X」「LX100」プレミアムコンデジはどれを選べばいいのか!?:2014年3大ハイエンド機の饗宴(4/4 ページ)
1型以上の大きなイメージセンサーを採用したプレミアムクラスのコンパクトデジカメが今注目を集めている。先駆けのソニー「Cyber-shot RX100 III」とガチンコ勝負を挑んだ「PowerShot G7 X」、そしてさらなる高みを目指した「LUMIX LX100」を比較する。
撮りやすいカメラはどれ?
まだまだ続きます。お次は操作系の話。
一番大事なファインダー回りはこちらを。
機種名 | RX100 III | G7 X | LX100 |
---|---|---|---|
EVF | ○(ポップアップ) | × | ○ |
背面モニター | 3型 | 3型 | 3型 |
モニターのチルト | ○(−45〜180度) | ○(0〜180度) | × |
タッチパネル | × | ○ | × |
見て分かるとおり、EVFがないのはG7 X。モニターがチルトしないのはLX100。G7 Xのモニターはチルトするけど一軸なので下に向かない(ハイアングル撮影がしづらい)。RX100 IIIのポップアップ式EVFはギミックとしてもいいし、小さい割によく見える。
タッチパネルを持っているのはG7 Xだけ。このクラスになると被写界深度がそこそこ浅いのでカメラ任せだと欲しい位置にフォーカスがこないことがある。そういうときタッチAFでさっと合わせられると便利なのに、G7 X以外はできないのが残念。
LX100はカスタマイズで十字キーをダイレクトAF移動に割り当てられるので、AF枠をよく動かす人はそれを使うといいだろう。
グリップしやすいのは、ボディが大きい上に前面も背面も指のかかりがよいLX100。それに次いでG7 X。RX100 IIIは全体にフラットでさらっとしてるのでデザイン的にはいいけどちょいと握ってて落ち着かない。別売でグリップを貼り付けるという手があるので気になる方はそちらを。
操作系については三者三様。
一番カジュアル系ユーザー向けなのがRX100 III。ポップアップEVFのギミックも楽しいし、操作系もシンプル。今回唯一露出補正ダイヤルを持たないモデルで、まあ基本的にプレミアムおまかせオートで使ってOKなカメラだ。操作は分かりやすく鏡胴周りのリングと背面のホイールをカスタマイズすれば好みの操作系にできるが、露出やISO感度や絵づくりなどを凝りたい人にはちょっともどかしさがある。
中間に位置するのがG7 X。露出補正ダイヤルは持ってるし、タッチAFはできるし、鏡胴周りのリングと背面のホイールを組み合わせて使えるし、RING.FUNCボタンでリングの役割をさっと変えられる。が、ボディがコンパクトな分ちょっと窮屈さを感じる。
一番ボタンやダイヤルが多くて凝っているのがLX100。撮影モードダイヤルはなく、絞りリングとシャッタースピードダイヤルの組み合わせで使えるという昔ながらの操作系で、とっさにセットできないってときはiAボタンを押しちゃえばiAモードになるというのも楽だし、鏡胴にはアスペクト比とフォーカスモードのメカニカルスイッチがついてるし、鏡胴のフォーカスリングと背面のホイールはカスタマイズできる。ボディが他よりちょっと大きい分ボタン類の配置にも余裕がある。
必要に応じてさっと自分でセッティングしたい人にはこれが一番いい。少々大きくて重いのは伊達じゃない、ってことだ。ここまでクラシカルな操作系にこだわったコンデジはこれと富士フイルムの「X100T」くらいじゃないか。
動画撮影機能
最後に動画機能の話。
こちらも三者三様っぷりが面白いので表にしてみた。
機種名 | RX100 III | G7 X | LX100 |
---|---|---|---|
フォーマット | AVCHD、XAVC S、MP4 | MP4 | AVCHD Progressive、AVCHD、MP4 |
動画モード(AVCHD) | 1980×1080/60p | − | 1980×1080/60p |
動画モード(MP4) | 1440×1080/30p | 1980×1080/60p | 3840×2160/30p(4K) |
まず動画フォーマットはAVCHD系とMP4の2種類がある。G7 XはMP4のみでフルHD。RX100 IIIはAVCHDとMP4の両方を使える。AVCHD時はフルHDで60pを実現しているが、MP4時は1440×1080ピクセルの30pと、ちょっと落ちるのは相変わらず。AVCHDメインだ。また、動画時のアクティブ手ブレ補正は少し画角が狭くなるものの優秀。
LX100はその逆で、AVCHDとMP4を用意しているが、AVCHDはフルHDで60pどまりなのに対し、MP4時は4K動画を撮れるのだ。その辺が面白いところ。MP4で撮りたい人はG7 XかLX100がお勧めということか。
LX100は4K動画から写真を切り出す4Kフォト機能もあり、これと同社のFZ1000が唯一の4K動画対応コンパクトとなっている。
結論:どれがいいかは「難しい」
さて、ここまで基本的なところを比べてみた。
さらに細かいところでは、Wi-Fiは全モデル搭載、USB充電はRX100 IIIだけ対応、あたりが大事な点か。
ほどよくコンパクトでEVFもチルト式モニタもタッチパネルも持っててレンズが明るくてAFが速くて価格もお手頃な1インチセンサーコンデジがあったらわたしが真っ先に買うわけだが、さすがにそんな都合のいいカメラはないのであった。
コンパクトさやカジュアルさならRX100 IIIだし(タッチパネルに対応してほしかった)、タッチパネルや望遠を重視するならG7 Xだし(外付けでもいいからEVF対応してほしかったし、AFに一抹の不安が)、そのメカニカルな操作や他の2モデルに比べて画素ピッチに余裕があるセンサーによる高感度特性を重視したいならLX100(チルト式モニターとタッチパネルがほしかった)ということになる。
どれが重要かは人によって違うんだけれども、個人的には操作感と画質でLX100にひかれるな、という感じかなあ。
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