新モデルといってもいいレベルに進化――「FUJIFILM X-T1」ファームウェアVer.4.00を試す:AF周りが大幅に改善(2/2 ページ)
富士フイルムのフラッグシップモデル「X-T1」に、新ファームウェアVer.4.00がリリースされた。AF周りを中心に、これまで不満だった部分が大幅に解消され、機能が向上している。
瞳AFも便利
もう1つAFネタを。顔検出機能は以前からあったのだけど、それに「瞳AF」が付いた。パナソニック、オリンパス、ソニーと各社がすでに搭載していた機能であり、富士フイルムもやっと追いついた。
ポートレートの基本は「手前にある目にピントの山を持ってくる」ことであり、瞳AFをオンにするとそれを自動的に行ってくれるのだ。
X-T1からマイナーチェンジした新製品って感じも
さらに3つほど注目の改善点を紹介しよう。
1つはコマンドダイヤル。Ver.3.00まではシャッタースピードは上面のダイヤルで、そのダイヤルで賄えない範囲(高速シャッターとか1/3段ずつの刻みとかスローシャッターとか)はコマンドダイヤルでと使い分けられていたが、シャッタースピードをTポジションにすると、シャッタースピード全域でコマンドダイヤルによる指定が可能になった。
要するに、上面のクラシカルなシャッタースピードダイヤルではなく、イマドキのカメラらしくコマンドダイヤルでの指定も可能になったということ。
2番目はマニュアル露出時に露出補正が可能になったこと。マニュアル露出モードでなおかつISO感度オートの時、露出補正が効く。絞りとシャッタースピードを固定してISO感度で露出をコントロールするときに露出補正が可能になったということで、地味に便利。
3番目は細かい事だけど、ガイドラインが細くなった。
さらに、マナーモード(電子音をオフにし、フラッシュもオフにするモード)の名称が「電子音&フラッシュOFF」に変わった。まあこれは細かすぎることだけど一応。ちなみに、このモードにしてシャッターを電子シャッターのみにするとほぼサイレントな撮影が可能になる。
以上がVer.4.00の進化点。何よりAF回りの改善は素晴らしい。
発売から1年ちょっとしかたっていないハイエンド機ながら、Ver.4.00にアップデートしたX-T1は発売当初と比べるとマイナーチェンジした新製品といって過言ではなく、X-T1sくらいは名乗ってもいいレベル。
デジタル技術の進歩により下位モデルが上位モデルを機能で上回ることも少なくない昨今、メーカーがこういう形で長くサポートしてくれるとユーザーも安心して買える。素晴らしいことである。
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