本格的な映像作品にも手が届く超高感度ミラーレス機――ソニー「α7S II」(2/3 ページ)
超高感度ミラーレス機「α7S」の後継機にふさわしい、豊かな階調表現とダイナミックレンジの広さが魅力のソニー「α7S II」。新たに追加されたボディ内手ブレ補正機能と、大幅に強化された動画機能に確かな手応えを感じた。
本格的な動画撮影機能にも注目したい
α7S IIが他のハイエンド機と異なるのは動画への比重かと思う。ほとんどのレンズ交換式カメラが動画に力を入れているが、多くても7:3とか6:4でスチルに重きを置いている。でもα7S IIはそれが5:5くらいになっていて、どちらでも同じくらいいけますという感じだ。
動画については4K動画もフルHD動画も画素加算のない全画素読み出しに対応しており、クオリティを重視。Super 35mm相当のフォーマット(APS-C相当サイズの16:9のフォーマット)へも対応。記録方式はXAVC Sがメインと考えていいだろう。
フルHDで120fpsのハイスピード撮影も可能だ。何より、ピクチャープロファイルやタイムコード、動画向けのガンマなど、映像作品を撮るための仕様が埋め込まれている。実際に映像作品用のカメラとしてどうなのかは、わたしの守備範囲を越えているので専門家の言を待ちたいところだけど、動画カメラとしてのクオリティはおそろしく高いと思う。
ただ、動画撮影ボタンがかなり横についているのはちょっと押しづらい。他のボタンに動画機能を割り当てることができるので、手持ちで撮るときは、中央ボタンなど押しやすいところに割り当てるのがよいかと思う。
もちろんスチルカメラとしてもこのクオリティは捨てがたい。高感度もいいが、大きな画素ピッチならではのダイナミックレンジの広さがたまらんのだ。このゆとりある滑らかな階調は魅力的である。操作系に好みは分かれるかもしれないが、映像も写真もやりたい人、高い解像感より階調の豊かさや暗所での撮影性能に心引かれる人によさげ。
まあちょっと手を出しづらい価格にはなっているけれども、スタンダードなフルサイズミラーレス機が欲しいなら価格的にも手を出しやすいα7 II、特に高画素が欲しいとか高感度が欲しいとか4K動画を撮りたいとかそういう目的があるならα7R IIやα7S IIと選択肢が広がってるのがいい。
昼間に撮影した作例
24-70mmの広角端でガスタンクを撮影。右上の黒い染みはセンサー表面の汚れです。撮っていて気付かなくて申し訳ない。
24-70mmの望遠端で。以下同様。
都会の公園にリヤカーと竹箒というマッチングがよくて、逆光側から狙ってみた。このダイナミックレンジの広さはいい。
望遠端でオートでポートレート。
185ミリ、F4で東京駅を背景に。
24ミリmの広角端でポートレート。
午後遅くの富士山を多摩湖畔から。雲の多い日だったが、ほんのりと富士が浮かんで見えた。このほんのり感がよくでている。
同じような位置から広角端で。雲がきれいだったので空を広めに。
東村山市にある正福寺の地蔵堂。1407年建立とされる国宝建築物。少し離れて中望遠で。
赤い門ごしに庭園の紅葉を。こういう絵はダイナミックレンジの広さが必要。
明るいカフェでランチ。
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